「首都圏には巨大地下神殿がある」。そんな言葉を耳にしたことはないだろうか。それは埼玉県春日部市にある「首都圏外郭放水路」の「調圧水槽」である。「首都圏外郭放水路」とは、浸水被害に悩まされるこの地で洪水被害の軽減を目的に地下に造られた、いわば水を貯めるためのプールとその水を流すための内径約10m、約6.3kmのトンネルである。
国土交通省江戸川河川事務所が管理するこの施設は、予約すれば一般の人でも見学が可能。
現在は、地下神殿を見学する「大人気! 地下神殿コース」(1000円/人 約55分)、地下神殿と立坑の2ヵ所を見学する「迫力満点! 立坑(たてこう)見学コース」(3000円/人 約110分)、調圧水槽最奥部のインペラ(羽根車)を見学する「見どころ満載! インペラ探検コース」(4000円/人 約110分)が予約可能。
今回は、「立坑見学コース」に参加したレポートをお届けする。
■予約はどこから? 参加の注意事項は?
見学の予約は「首都圏外郭放水路」のホームページ、または電話にて手続き可能。コースが複数用意されており、見学したいコースによって所要時間と料金が異なる。小学生未満の参加は不可。
なお、地下神殿までは約100段の階段を上り下りする必要があるが、非日常感からなのか、普段全く運動をしていなくても、体力的にそれほど厳しい感じはなかった。たとえば60代後半くらいの家族でも全く問題はなし。
ただし、立坑の見学も合わせて実施する場合、立坑の底から高さ約70mの場所に設置されたキャットウォーク(メンテナンス用の通路)を移動したり、足場が透けている階段を使用するため、安全帯(ハーネス)をつけていても足の力が抜けそうになる。迫力はあるが、高所が苦手であれば、おすすめしない。
そのほか、安全上の注意点については、ホームページを必ず確認してほしい。
■迫力満点の立坑コースに参加してみた!
見学は、中央操作室のある建物からスタートする。この部屋は「仮面ライダー」やドラマ「マイファミリー」などの撮影に使用されており、ポスターや出演者のサインが飾られている。
はじめにガイドスタッフから模型や地図を使い、首都圏外郭放水路が造られた背景や水を運搬・排出するポンプの説明を聞く。