いまブームが沸き起こっているサウナ。実は雪国には数多く存在する設備だ。そこでここでは旅行を満喫しつつサウナも楽しめるTIPSを紹介しよう。

●スキー場に多いサウナのことを勝手に考察

 スキー場の温泉や周辺の入浴施設にはサウナが多い。なぜだろうか?  サウナが全国の銭湯に設置されはじめたころ、世はスキーブーム。各地にリゾートホテルが多く建設されると同時に普及し始めていたサウナも一緒に設置されたと思われる。

■寒冷地に最適なサウナの存在

 いま、サウナは空前の大ブーム。日本に広まったのは1965年の東京五輪の際にフィンランド代表の選手がサウナを持ち込んだのがきっかけと言われている。その後、裸で入るという親和性の高さから銭湯に設置されるようになり、おじさんが愛好するもの、という認識のまま長い年月が経った。

 時を経て21世紀になると、ビジネスリーダーや感度の高い人々が、密かにサウナを楽しみ、その影響でジワジワとブームが広がった。サウナは今や20代の若者にも親しまれるものとなったのだ。

 そんな流行のサウナだが、雪国では昔から馴染み深い。血行が促進されることで、保温効果があることから、雪国のホテルや入浴施設では幅広く設置されてきたのだ。とりわけ、北海道などではサウナ付きのコテージなどが多数存在するなど、文化が発達している地域もある。

 雪国を旅するならば、正しいサウナの入り方は覚えておきたい。そう思っている方に向けて、サウナトリップのススメをここで紹介しよう。

■サウナ基礎知識

●その1 サウナの効能

 サウナには健康的なメリットが多々ある。血行が促進されることにより、肩こり・腰痛、むくみ、冷え性の改善が期待でき、発汗作用による毛穴のデトックス効果もある。サウナは男性のみならず、女性にも嬉しい代物なのだ。また、高熱によって身体の細胞が壊れ、それを補うためにタンパク質が生成される。それによって細胞の再生が促され、免疫力が向上する、などの効果もある。ちなみに、よく言われるダイエット効果はない。しかし、代謝をあげて痩せやすい身体を作ることはできる。

●その2 ととのうとは?

 サウナとセットで聞く「ととのう」という言葉。これはサウナで深いリラックス効果を得られた時に用いる。どういうことか、それは急な高温状態を数分間維持したあとに、水風呂で急激に身体を冷やすと、日常生活では分泌されにくいさまざまな脳内ホルモンが分泌される。例えばそのなかの一つ「β-エンドルフィン」はモルヒネと同じような作用をする物質で鎮痛効果や気分の高揚・幸福感が得られる。それらの物質がでることによってととのう状態になれるのだ。

●その3 サウナには種類がある

・ドライサウナ

 サウナにはいくつか種類があるが、一般的なものは限られる。主流は黎明期から広く設置されているドライサウナだ。高温のヒーターを使って室内を温めるタイプで、ヒーターの前にいる人は身体の前面が熱くなりがち。温度は80℃から110℃になるものもあるが、さすがに110℃を超えるものは熱すぎる……。広く親しまれるサウナだが、「目が痛い」「乾燥による肌、髪へのダメージが心配」という人も増えている。そんな人達に近年人気が高いのが次のサウナだ。

・フィンランド式サウナ

 サウナの本場、フィンランド式のサウナ。高温を発するストーブの上に「サウナストーン」と呼ばれる石が置かれ、水をかけて蒸気を発生させて室内を温めるもの。温度は80℃から95℃前後が多い。空気中の水分量を増やして熱伝導を高め、乾燥時よりも熱く感じられる。また、蒸気を発生させることによって乾燥を防ぎ、アロマオイルなどを混ぜることによって香りを楽しみながらサウナに入るなどの楽しみ方が広まっている。

サウナストーンに水をかけることを「ロウリュウ」という。ちなみにドライサウナのストーブに水は厳禁