■日本人バックパッカーのたまり場ダムサイドは昔のまま
それでも昔のような風情がまだまだ残っていた。ふとチベット系の土産物屋に入ってみれば、店主のおじさんが商売そっちのけで、
「日本はどうだい、コロナ」
なんて話かけてくる。
「やっと観光客が戻ってきたところなんだ。この2年、家賃を払うばかりで収入はほとんどなかった。しんどかった」
なんて話を聞いていると、お茶が出てくる。土産物を進めてくるでもなく、しばらく世間話を交わす。少し観光地から遠ざかれば、子どもたちが笑顔で声をかけてきたりもする。ネパールという国のフレンドリーさと柔らかさは、いつの時代でも旅人を癒してくれる。
■まだまだ安旅ができるネパール
レイクサイドを離れて、湖の南側に行ってみると、昔と変わらない静けさだった。このあたりはダムと水力発電施設があることからダムサイドと呼ばれ、観光客相手の店より地元の人の民家や商店が多い。レイクサイドよりもだいぶ落ち着いていて、当時の日本人バックパッカーはこちらに泊まる人が多かった。その頃の面影が、まだだいぶ残っているように感じた。
宿の値段はざっくりと検索したところ、レイクサイドもダムサイドも最安のゲストハウスで個室1000円前後といったところか。昔よりいくらか値上がりしているが、それでもまだまだコスパはいい。ドミトリーだと500円前後のところもあるようだが、コロナ禍を経て相部屋は敬遠される傾向にある。ドミトリーそのものが減っている印象を受けた。