2023年NHK大河ドラマ『どうする家康』。嵐の松本潤が主演を務め、「リーガル・ハイ」、「コンフィデンスマンJP」などを手掛けた古沢良太が脚本とあって、多くの注目を集めている。

 徳川家康といえば、およそ260年にわたる江戸幕府を開いた人物として、知らない人はいないはず。

 江戸幕府は、家康が征夷大将軍となった、ちょうど420年前の1603年からはじまっており、今年は区切りのよい年でもある。

 全国各地に家康の建てた城や歴史的な戦いを行った合戦場があるが、今回は「どうする家康」の第二話でも登場した岡崎市の「大樹寺(だいじゅじ)」、徳川家のルーツにせまる愛知県豊田市の「松平郷」と周辺の観光スポットを紹介する。

■家康が心を改めた地「大樹寺」

荘厳な三門を構える「大樹寺」(撮影:菅沼とわこ
国重要文化財である大樹寺の「多宝塔(たほうとう)」(撮影:菅沼とわこ

 『どうする家康』の1月15日の第二話で登場した、愛知県岡崎市にある「大樹寺」。家康のターニングポイントとなった寺である。

 境内には、国指定重要文化財に指定されている襖絵や室町時代に建てられた「多宝塔(たほうとう)」などがある。また、大樹寺から岡崎城までの直線約3kmはスペイン語で「眺望・展望」を表す「ビスタ(vista)」から「ビスタライン」と呼ばれ、大樹寺の三門からは家康が生まれた岡崎城の姿を拝める。

■家康が自害を試みた先祖の墓

家康が自害を試みた先祖の墓(撮影:菅沼とわこ
「厭離穢土欣求浄土(おんりえど ごんぐじょうど)」浄土の「土」には点がついている(撮影:菅沼とわこ

 大樹寺は桶狭間の戦いの後、岡崎へ逃げ帰った家康が自害を試みた場所。ドラマの中では、本多忠勝とのやり取りの中で自害を思いとどまったが、実際には大樹寺の登譽上人(とうよしょうにん)の教えにより、思いとどまったと言われている。ちなみにドラマにも登場する松平家先祖の墓は、大樹寺に実在する。

 他にもこの寺には、14代将軍までの実際の人物の身長と同じ高さの位牌が安置されている。ここを訪れると、現代の平均身長と比べると、歴代の将軍が比較的小柄であったことがわかる。

 また、5代将軍綱吉は身長のコンプレックスから、生類憐れみの令を出したことなど、実際の身長を目の当たりにすることで、徳川歴代将軍がより身近に感じられるはずだ。

 ほかにも、家康が大樹寺に逃げ込んだ際、寺の僧が門のかんぬきを使って戦った話など、この寺にはドラマで描かれなかった逸話もある。

●大樹寺

・住所: 愛知県岡崎市鴨田町広元5-1
・電話番号:0564-21-3917

・ホームページURL http://home1.catvmics.ne.jp/~daijuji/
 ※拝観時間、拝観料はホームページをご確認ください。