■ヒグマに怯えながら入る野天風呂

秘境の野天風呂「川北温泉」にはヒグマ注意のポスターが

 日本一周旅で、自然に湧き出る温泉などを利用した屋外にある野天風呂にハマった筆者たち夫婦。北海道には野天風呂が多く、さまざまな場所にある野天風呂に入ったが、一番衝撃だったのが、知床半島の付け根あたりにある「川北温泉」だ。

 川北温泉は、標津町(しべつちょう)の奥深い山の中にある野天風呂。野生のヒグマの生息地としても知られる知床半島の近くなだけに、至るところにヒグマ注意のポスターが貼られている。

 ヒグマとの遭遇予防として、知床五湖フィールドハウスのガイドさんに教えてもらった「大きな声で叫ぶ」を繰り返しながら、温泉に入った。声を枯らしながら入浴するのは、後にも先にもこのときが最後だろう。

■北海道、広すぎる問題

日本で最も透明度の高い「摩周湖」

 知床を訪れた日の就寝時間は24時。次の日の起床時間は6時で、約6時間しか寝ることができなかった。その理由は、北海道内の移動時間の長さである。

 知床を出発した筆者たち夫婦は、翌日の朝から日本本土最東端の「納沙布岬(のさっぷみさき)」へ訪れたかったため、夜のうちに付近まで移動した。その距離、約140km。時間にすると2時間30分の長旅である。

 しかし、北海道に入って一週間経ったこの頃は、2時間30分程度では長距離運転とは思えなくなっていた。スケールが広すぎる北海道では、目的地まで3時間以上かけて運転することがざらにあったからだ。最長で6時間を交代しながら運転したこともあり、この旅で北海道の広さを改めて思い知った。

 ほかにもさまざまなハプニングを経験した北海道の旅であった。

 

 次回の最終編では、真夏の関東・東海における日本一周車中泊旅について紹介していく。