「しなの鉄道」は、長野県の軽井沢~篠ノ井(しなの鉄道線)と長野~妙高高原(北しなの線)を走る第三セクター鉄道だ。沿線には信濃路を代表する美しい山々があり、車窓からその風光明媚な景色を堪能することができる。

 1月17日に発売された「漫画アクション2/7号」の『新・駅弁ひとり旅~撮り鉄・菜々編~』(監修/櫻井寛 作画/はやせ淳)第33話の舞台となっている。そこで漫画の主人公が軽井沢から長野まで乗車した人気の観光列車「ろくもん」を写真で紹介してみたい。

■横川駅から軽井沢駅へ

 主人公は鉄道カメラマンを目指し、駅弁ライターとして活動する白鳥菜々。物語は旧信越本線の碓井峠廃線跡(軽井沢〜横川間)で約11kmの「廃線ウォーク」を踏破し、安中市内の磯部温泉で足腰の疲れを癒やした翌朝、横川駅からJRバスで、再び軽井沢駅に向かうところからはじまる。

廃線ウォーク https://haisen-walk.com/

かつて日本一の急勾配で名を馳せた横川ー軽井沢間を歩く「廃線ウォーク」、最後にはロゴのモチーフにもなっているカモシカが見送ってくれた。

■軽井沢駅

しなの鉄道の軽井沢駅舎は旧国鉄軽井沢駅(国指定重要文化財)

 観光列車「ろくもん」が出発する軽井沢駅は、新幹線開業時に取り壊された国鉄時代の旧軽井沢駅舎をリノベーションしたもので、歴史的価値を持つ駅舎記念館を軽井沢町から借り受け、軽井沢らしさを醸し出す外観や内装の上品なイメージはそのままに、雰囲気にマッチする家具を配置し、懐かしくて新しい駅として生まれ変わった。

 1階には改札口と待合室があり、2021年8月からは1階待合室の隣に信州食材をふんだんに使った軽井沢イタリアン「Primo fito(プリモ フィト)」もオープンしている。2階には旧軽井沢駅舎記念館の貴賓室を利用した「ろくもん」の乗客専用の待合室がある。明治43年当時の貴賓室の部材を使用して再現された。壁に飾られた作品は世界的な工業デザイナー水戸岡鋭治さんによる九州と信州の合作。というのも、額縁は九州の大川組子、そして中の絵は、信州小布施の岩松院にある葛飾北斎の八方睨み鳳凰図がモチーフとなっている。

「Primo fito」https://primofito.com/

貴賓室を再利用した「ろくもんラウンジ」