山林の中、風を切りながら走るのが「トレイルランニング」。通称「トレラン」だ。日常生活から外へ飛び出して、自然の中を走るトレイルランニングが人気を博している。
安全に山に入る上で、必要最低限の装備品を持っていく必要があるので、今回はそのようなトレイルラン二ングに必要な持ち物や、筆者が実際に使って良いと思ったおすすめのアイテムを紹介をしたい。
■トレイルランニングの装備 〜必携品〜
トレイルランニングを始めるにあたり、必ず揃えておく必要があるものを必携品という。山の中では、万が一のケガやトラブルがあった際に、時として命に関わることになるので、絶対に持っておきたい装備品だ。
●スマートフォン(スマホ)
地図(GPSアプリ)としての利用や緊急連絡の際にも使用する。また、コンパスやメモなどさまざまな機能が備わっているスマホは現代では手放せない。防水・防滴やバッテリー切れなどの対策が必要だ。
●ザック(リュック)
トレイルランニング用のザックは「ベスト型」と「リュック型」の2種類に分かれる。ベスト型の大抵は前部にポケットが設けられており、ザックを下ろさずに物を取り出せ、重心のバランスも良いため、トレイルランニングを始める人はまずはベスト型を選ぼう。
初心者の人は前ポケットのアクセスの良さ、便利さをより実感できる。ベスト型でも一定容量以上のザックであれば必携品、推奨品も入るので安心してほしい。トレイルラン二ング以外に普段使いもしたいけれども見た目が気になるという人は、リュック型を選ぶのも選択肢の一つ。
容量は、日帰りの防寒着が入るサイズの8~15Lのものがマルチに使いやすいだろう。
●レインウェア
山の天気は変わりやすいと言うが、平地では天気が良くても山の上では雨というのはよくある話し。天気予報が完全に晴れでもレインウェアの上着は必ず持つようにしたい。山の上での防寒着としても着用が可能だ。
●トレイルランニングシューズ
トレイルランニングでは、ロードランとは違って地面の状況が変化するのが特徴だ。そのため、各メーカーがしのぎを削ってさまざまなモデルを展開している。
シューズに関しては、実際に自分で履いてみることがとても重要だ。他の人がお勧めするシューズは、必ずしも自分には合っていないかもしれない。店頭に行き、さまざまなシューズを試し履きしてみよう。
●スマホアプリ、紙地図
かつては、山へ行くときには紙地図を持っていくのが基本だった。最近のトレイルラン二ング愛好者は、スマホの山地図アプリを必須として普段使いをし、紙地図はバックアップとして利用することが多い。ただし、紙地図とコンパスを使えることは山に入る上でも重要なスキルなのでしっかりと習得しよう。
●コンパス
紙地図とセットとして考える。腕時計やスマホにもコンパス機能を備えているものもある。紙地図と合わせての使用を前提とした「ベースプレートコンパス」の購入がおすすめ。
●ヘッドライト
日中のみの行動予定でも、「思ったよりも時間がかかってしまい、暗くなってしまった」というのはよくある事だ。近所の裏山など、1~2時間程度で絶対に戻ってくる自信がある場合でもない限り、基本的にザックに携帯しておこう。電池の残量確認も忘れずに。
●ファーストエイド
救急セットのことをファーストエイドと言う。山での不慮のケガや負傷に対応できるように、最低限のものが必要だ。
●吸水用システム(ボトル、フラスク、ハイドレーション、ペットボトル)
トレイルラン二ングは身体を激しく上下に揺らすことも多いため、水がバシャバシャと音がうるさく鳴らないように設計されたのが「フラスク」だ。吸って飲むタイプなので最初は少し慣れが必要だが、初心者はフラスクをおすすめする。
●行動食
短時間の行動を除き、トレイルラン二ングの場合はエネルギー補給が必要だ。どれくらいの時間がかかりそうか、距離はどれくらいで、エネルギー消費はどれくらいかと計画して、行動食を用意しよう。種類としては、ジェルタイプの補給食、栄養補助食品、おにぎり、パンなどさまざまあり、初心者の人には迷うだろうが、「自分が山の上に持って行って食べてみたい」と思うものから試してみると良いだろう。