■屈指の雪国観光地 スキー場の多さが魅力

 川端康成の小説「雪国」の舞台としても知られる湯沢町・南魚沼市は新潟県の中越地方南部に位置し、群馬県と隣接する。エリアを取り囲む巻機山、谷川連峰、越後三山などの大きな山々が、日本海側から流れる湿った雲を押し留め、冬はたくさんの雪が降り積もる。

 大昔は雪が積もれば移動手段がなく、閉ざされた町だったが、現代では上越新幹線や関越自動車道が通り、東京から車で2時間半、新幹線なら70分と関東近郊の冬の行楽地として最もアクセスの優れる場所の一つとなった。それゆえに、越後湯沢駅を降りてすぐには「越後湯沢温泉街」があり、多くの旅館、温泉、そして食事処が揃い、夜でも灯りが消えない賑やかな街になった。

 たくさんあるスキー場も見逃せない。湯沢町に10、南魚沼市に8つのスキー場があり、それぞれの移動は車で1時間程度と驚きの近さにある。コンパクトなエリアながら、個性豊かなスキー場をこれほどの数楽しめるスノーエリアは日本でもここだけと言える。

■湯沢・南魚沼の魅力

群馬県に隣接する湯沢町。その北側に南魚沼市がある

1. 都心から近い
 越後湯沢駅から東京まで70分。関越自動車道で約2時間半という距離。東京まで新幹線通勤する人もいるほど。
2. 白いご飯がおいしい
 お米のブランド「魚沼産コシヒカリ」の地。地元レストランで出されるご飯が、いつでもコシヒカリという贅沢!
3. スキー場が密接している
 湯沢・南魚沼エリアでは合計18ものスキー場がある。また、夏場は登山ルートも豊富で一年を通じて山を楽しめる。
4. 温泉が近い
 越後湯沢駅前の温泉が湧く。それだけでなく南魚沼市にも13もの源泉があり、さまざまな温泉に浸かれる。

■湯沢・南魚沼の食

●へぎそば

南魚沼・湯沢エリアでは「しんばし」「中野屋」「田畑屋」などが有名

 そば粉のつなぎに使う小麦の代わりに、海藻を練って作ったのが始まりとされる緑色のそば。つるっとした食感と少し固めの歯ごたえが特徴。

●コシヒカリ

石打丸山スキー場から見た秋の南魚沼市。田んぼが黄金色に染まる

  コシヒカリ発祥の土地。もっちりとしながら粒が立って、甘味も優れる。おにぎりにしてごはんの味を楽しむのも良し、おかずとの組み合わせも抜群。

■伝統や文化

●いまに残る織物文化 越後上布や塩沢紬

米どころ、温泉、スキーだけでなく織物文化が色濃く残る街でもある

 1200年以上の歴史を持ち、ユネスコの無形文化遺産保護条約に登録される織物。かつては天皇への献上品でもあった。通気性に富み、夏でもさらっと着まわせるのが特徴。周辺エリアにはほかにも「塩沢紬」や「小千谷縮」などの織物がある。