●携帯すべき物

 どれだけ準備しても、刺されてしまうことはある。一番怖いのは、応急処置ができず、病院に行く前にアナフィラキシーショックで動けなくなることだ。山の中は車がアクセスしづらかったり、携帯電話の電波が届かなかったり、助けを求めづらい場合もある。そこで常備しておきたい応急処置道具が「ポイズンリムーバー」だ。

 ポイズンリムーバーとは、毒液・毒針の吸引器。注射器のような形をしており、刺された箇所に吸引口を押し当てて、ピストンレバーを引くと空気圧で毒が吸引され、体内に入る毒の量を減らすことができる道具だ。

 この処置を適切にするだけで、症状は軽減されることもあると言われている。およそ2000円以内で販売されているものが多く、お財布の負担も小さいので、携帯を強くおすすめする。

 ただし、あくまでも応急処置。処置したからといって絶対の保証はないことを理解してほしい。必ず急いで病院に行き、診察を受けよう。

 スズメバチを警戒しすぎるあまり、アウトドアを楽しめないのはもったいない。スズメバチ対策をしっかり理解し、準備したうえで存分に楽しんでほしい。