総務省の統計では、登山/ハイキングを行っている年代で最も数が多いのは、男性64〜69歳、女性60〜64歳となっている。2位以降も男性60〜64歳、女性55〜59歳と続くことからも、登山/ハイキングを趣味とする方は、シニア世代に多いことがわかる。

 運動を習慣にすると、切っても切り離せないのは怪我や痛みとの付き合い。シニア世代において、登山を趣味としている方の中には「膝痛」を多くの方が経験している。

 本記事では「あん摩マッサージ指圧師」の国家資格を取得した、「体の専門家」である筆者が、登山における「膝痛の予防/改善方法」をお伝えする。

■膝痛の原因は「慢性的な負担」

 ほとんどの原因は、ヒザへの慢性的な負担である。痛みを予防するために意識すべき事項は以下の3つ。

1. ヒザへの負担を軽減する
2. 筋肉のケアをする
3. 筋肉を強くする

 上記内容を具体的に紹介していこう。

■1.ヒザへの負担を軽減する

 体力作りのためにランニングを習慣にしている方は多いと思う。ランニング自体は大切だが、気をつけていただきたいのは、走る場所である。

 「アスファルト」でのランニングはできるだけ避けたい。

アスファルトは関節への負担が大きい

 関節は曲げ伸ばしだけでなく、地面からの衝撃を吸収する役目も担っている。当然、地面が硬くなれば、ヒザにかかる衝撃も強くなっていく。

 「毎日のランニング」のような慢性的な負担は、膝関節周囲の靭帯や筋肉への疲労を蓄積させ、膝痛へと繋がる可能性があるため、アスファルトでのランニングはおすすめできない。

芝生などの柔らかい場所はヒザへの負担が少ない

 ランニングを行う場所としては、芝生や競技場などの柔らかい地面をおすすめする。適した場所がない場合は、ランニング用のシューズでソールに高いクッション性が備わっているものを使用することで、普通のランニングシューズに比べて、関節への負担を和らげることができる。

厚めのソールは衝撃を吸収する役割がある