いよいよ秋本番のこの季節、北アルプスの稜線付近はもう初冬の様相です。新雪に輝く山々は、その厳しさゆえに絶景を見せてくれます。

 登山口につながる林道烏川線のゲートが閉まる前に北アルプスに会いに蝶ヶ岳へ登ってきました。高気圧に覆われた登山日和。稜線に出ると穂高連峰・槍ヶ岳が悠々と出迎えてくれました。

■北アルプスの展望台! 蝶ヶ岳

蝶ヶ岳から望む常念岳。途中、二重稜線があります。積雪が増えて登山道が不明瞭になったら要注意

 蝶ヶ岳は北アルプスの常念山脈の南にある標高2,677mの山です。なだらかな山容で他の山から見たときは地味ですが、山頂からの槍ヶ岳・穂高連峰の眺めは大変素晴らしく、私もお気に入りの山です。今回で三度目の蝶ヶ岳です。林道が閉鎖される前に、三俣登山口からの最短コースで日帰り登山をしてきました。

■無性に会いたくなる「ゴジラくん」

「ゴジラみたいな木」は午後になると日が当たって暖かそう

 登山口には、中部山岳国立公園の看板がありました。美しい自然を味わい、守るべき場所です。肝に銘じて出発しました。

 出発してすぐ吊り橋を渡り、1時間ほど歩くと「ゴジラみたいな木」にも会うことができます。朝方に一人で対面するとちょっと怖いような……。でも愛らしいんです。なんだか毎年、表情が違う気がします。ゴジラの木に「また下山で会おう」と別れを告げてから、山頂を目指して一歩一歩進んでいきます。

■標高とともに雪と氷の「悪路」になっていく

標高が上がると階段にも雪が積もり始めます

 標高が2,000mを超えてくると日陰には霜柱がありました。2,200m地点から登山道にも雪が積もり始めます。階段の連続する登山道なので、滑って怪我をしないように気を付けて登りました。

 赤い看板の「悪路」の先は雪と氷のミックスになります。チェーンスパイクや軽アイゼンストックの装備が必要です。初冬の雪道を歩く楽しさの中、常念岳を眺めながらぐんぐん標高を上げていきます!