■目の前の清流が水風呂

ひんやり冷たい天然の水風呂へ!(撮影:仲地宏樹)

 SUP中は冷たいと思っていた川の水もサウナで温まった後だと、とても気持ちよく感じられる。「秋のはじめ頃まではぬるく感じていた水温でしたが、10月中旬以降は川の水温が20℃を下回りはじめ、多くのスーパー銭湯などで設定されている平均的な水風呂の水温17℃のラインになりました」とガイドの方は語る。

 川の水温が下がり、ベストな水風呂が用意できる秋以降がテントサウナのベストシーズンと言えるだろう。地域やその日の天候などにもよるが、11月以降は水温が一桁まで下がりはじめ、サウナ用語でいうグルシン(水温一桁台の水風呂)を天然で味わえるようになる。

 もちろん冷たすぎて入れない!  という人もいるだろう。そういった人は薄手のウェットスーツ(レンタル可能)を用意しておくといい。

■SUPで水上外気浴

SUPでの外気浴はもちろん、水上散歩も楽しめる(撮影:仲地宏樹)

 水風呂の後はお待ちかね、SUPの上で仰向けになり、ゆったりと水上外気浴。外気浴中は川のせせらぎや鳥の囀り、木の葉が風にそよぐ音など、自然の音に耳を傾けるととても気持ちがいい。

 川の流れや風による波で小さく揺れるSUPの上で5〜10分、外気浴をしたらまたサウナで汗をかこう。サウナ・水風呂・外気浴を繰り返し数回行うと、最高の「ととのい」を味わえる。

 秋は虫も少ないため、大自然の中での外気浴中でも蚊に刺される心配が少ないのも利点だ。

「オロポ」で乾杯するサウナー(写真提供:KUMANO OUTDOOR TRIP)

 最後はサウナー御用達の「オロポ」で乾杯。「オロポ」とは「オロナミンC」で「ポカリスエット」を割った飲み物。持参したものをサウナ中に川で冷やしておくのを忘れないようにしよう。

 最高の「ととのい」を得るために、もっと暑くしたいというのであれば、ロウリュ後に出た蒸気をタオルで扇いでみよう。アウフグースと呼ばれるこの行為は、テントの上部に溜まっていく熱気を攪拌(かくはん)させ、室内に一気に熱気を広げて体感温度を上昇させられる。また、熱風を相手に直接浴びせれば、さらに発汗を促せる。

 このように、テントサウナの良いところは、温度や湿度を自分たちの好みに調整できることだ。もしサウナに慣れておらず暑さが苦手というのであれば、低い温度でゆっくり身体を温める、濡らしたサウナハットを頭に被っておくといい。

 無理はせず、自分たちのペースで最高の「ととのい」体験を味わってほしい。