「観天望気(かんてんぼうき)」という言葉を聞いたことはあるだろうか? 簡単にいうと「周りの自然現象を観察して天気を予測する」ことである。今日ではスマートフォンの普及により、天気予報や雨雲レーダーといった便利なツールが使えるため、アウトドアにおいても自身で空を見て天気を予測する機会は少ない。しかし、リアルタイムでの天気の予測が可能な点や、通信環境に左右されない点など、観天望気ならではの魅力もある。
今回は、雨や強風などを前もって知ることができ、初心者でも簡単に見分けることのできる雲による観天望気を3つ紹介する。簡単な知識さえあればすぐにできるので、気軽にチャレンジしてもらいたい。
■観天望気1:乱層雲は広範囲の雨が降る予兆
はじめに紹介する観天望気のできる雲は乱層雲だ。水滴や氷晶による雲が、見渡す限りの空に広く広がっている点が特徴。時間が経つにつれ雲が厚みを増していき、より暗い色の雲へと変わっていきやがて雨が降る。
乱層雲による雨は広い範囲で雨が降り続けるといった特徴がある。後述の積乱雲や金床雲(かなとこぐも)ほど激しい雨ではないが、乱層雲の後ろから積乱雲がやって来ることもあるので注意しておきたい。
■観天望気2:積乱雲は局地的な荒天を呼ぶ
次に紹介する観天望気のできる雲は積乱雲だ。強い上昇気流により急速に大きく発達した雲で、上へ上へと積み重なるようにして高さを持つのが特徴。夏によく見られる高くて大きな「入道雲」も積乱雲の一種である。
雲の下では局地的な大雨や雹(ひょう)、突風など荒れた気象となりやすく、雷を伴う場合もある。積乱雲による雨の多くは30分〜1時間程度でやむが、前線をともなう場合などは長引くこともあるので油断はできない。