■観天望気3:金床雲は大雨や雹の兆し

遠くからでも存在が分かるくらい大きくなった金床雲(撮影:y_sonoda)

 最後に紹介する観天望気のできる雲は金床雲だ。アニメーション映画『天気の子』でも描かれた雲で、SNSでも話題となっていたため知っているという人もいるだろう。雲の上部のみが横方向へと広がり、金床(かなとこ)のような特徴的な形状となっている。

 金床雲の正体は対流圏の限界まで成長した積乱雲で、温度差により成層圏へ雲が入ることができないため横へ広がるように成長していく。雲の下では積乱雲と同様に大雨や雹、強風などの荒れた気象状況となり、夏のゲリラ豪雨でも金床雲が確認されているケースは少なくない。

■観天望気は街中でもできる

 以上で紹介した観天望気は、アウトドアシーンだけでなく街中でも行うことができる。日々のちょっとした時間に空を見上げて、雲の様子を観察してみるだけの手軽なアウトドア趣味だ。

 日常的にアウトドアとの接点を持ちながら楽しむことができるうえに、天気を予測する精度も上がっていくので、ぜひチャレンジしてみてはどうだろうか。