■縁結びの「能勢妙見山」とブナの原生林「北極星の森」

 非常にややこしいのだが、能勢妙見山の山頂に、「能勢妙見山」という寺がある。この寺は奈良時代の創建で、落語「不精の代参」にも取り上げられている、古くから親しまれてきた寺だ。

能勢妙見山境内(撮影:野口宣存)
能勢妙見山は兵庫県と大阪府の県境にある(撮影:野口宣存)
恋人募集中の人におすすめの縁結びの鐘。能勢家の家紋、切竹矢筈十字が見える(撮影:野口宣存)
能勢妙見山の茶店跡(撮影:野口宣存)
能勢妙見山から本瀧寺へ至る登山道(撮影:野口宣存)

 一時没落していたのだが、安土桃山時代から江戸時代前期に、摂津源氏の末裔とされる、能勢頼次(のせよりつぐ)が寺を復興。その縁から、能勢妙見山には至るところに能勢家の家紋である「切竹矢筈十字(きりたけやはずじゅうじ)」が刻まれている。

北極星を模した、能勢妙見山の信徒会館「星嶺(せいれい)」(撮影:野口宣存)
能勢妙見山の展望デッキ(撮影:野口宣存)

 この寺の見どころの一つとして挙げられるのが、信徒会館「星嶺(せいれい)」。能勢妙見山は北極星信仰の寺で、建物も北極星を模して建てられている。その星嶺に面しているのが、展望デッキだ。ここからの眺望は素晴らしく、大阪湾まで一望できる。

北極星の森付近からの眺望(撮影:野口宣存)
北極星の森(撮影:野口宣存)

 星嶺から少し行くと現れるのが「北極星の森」。1万年前からある、神秘的な雰囲気のブナの原生林だ。標高660mという低い場所にブナの原生林があるのは珍しく、森の保護活動が行われている。

車やバイクで行く場合、この能勢妙見山の鳥居から登っていく(撮影:野口宣存)

 能勢妙見山へ車やバイクで行く場合、大阪府池田市から国道423号を北上する。妙見口交差点を左折し約1.3km走行。妙見山の鳥居を左折。後は道標に従って進めば能勢妙見山にたどり着く。

 能勢妙見山まで公共交通機関を利用する場合、能勢電鉄、妙見ケーブル、妙見の森リフトを乗り継ぐことになる。能勢電鉄妙見口駅から妙見ケーブル黒川駅へは徒歩約16分、1.4kmの道のりだ。妙見ケーブル山上駅で妙見の森リフトに乗り換え。妙見山駅で下車すると、そこから山頂まではすぐそこだ。

●能勢電鉄妙見口駅

・住所:〒563-0101 大阪府豊能郡豊能町吉川

●妙見ケーブル黒川駅

・住所:〒666-0101 兵庫県川西市黒川針田

●能勢電鉄

・URL:https://noseden.hankyu.co.jp/railway/ns14.html

●妙見の森ケーブル

・運賃:片道400円、往復800円

・URL:https://noseden.hankyu.co.jp/railway/cable.html

●妙見の森リフト

・運賃:片道400円、往復800円

・URL:https://noseden.hankyu.co.jp/railway/lift.html