スイカやメロンなどの夏の果物が店頭から姿を消し、代わりに秋の果物が目立つようになってきました。なかでも、8月後半から10月にかけて美味しくなる果物の代表格と言えば「梨」でしょう。

 普段のスーパーや八百屋では、ただ「梨」として売られていることが多いのですが、よく見ると品種名が記載されていることも。じつは、日本国内では40種類以上もの梨が流通しており、それぞれ採れる時期や味が微妙に異なります。

和梨の赤梨、が一般的

 一般に「梨」とは、和梨、中国梨、洋梨の3つを指す名称で、和梨はさらに皮の色で2つのタイプに分けることができます。まず、幸水に代表される皮が黄褐色でざらざらしている「赤梨」。2つめが二十世紀や菊水のように皮が淡い黄緑色の「青梨」です。

 赤梨の果肉は粒々としていて甘味が強く、赤梨と比べると青梨は果肉が滑らかでさっぱりとした甘さが特徴です。近年、店頭で見かける梨の多くは赤梨が中心ですので、今回は赤梨にスポットを当てて紹介してみましょう。

■早い時期に出回る代表的な品種

超大玉になると1kgを超えるものも。お値段も比例して、なかなか……

<幸水(こうすい)>

 国内で生産される和梨全体の3割程度を占めるメジャー品種。果肉はとてもジューシーで、甘味が強く感じられます。早生種の中でも特に収穫時期が早く、真っ先に出回る梨として知られています。

<稲城(いなぎ)>

 梨の名産地・東京都稲城市内で生産され、市場にほぼ出回らない幻の大人気品種。包丁を入れると果汁がしたたり落ちるほど瑞々しく、シャキッとした食感の肉質と爽やかな甘味が人気の理由。市内に点在する直売所では、1kgオーバーの超大玉が手に入ることも!