「メタルジグ」と呼ばれる鉛やタングステン製の金属の塊を海底に落とし、リズミカルに巻き上げて(しゃくって)水中深くにいる魚を狙うジギング。ルアーフィッシングの一種でありながら、魚を誘うしゃくり上げる動作が非常にアクティブで、かつ大物が釣れてエサも不要でなんとなくかっこいい。こんな釣りに憧れて「ジギングをやってみたい」という人も少なくない。

 しかし、そんな初心者に立ちはだかるのが道具選びではないだろうか。糸の太さしかり、竿の強さ、ジグの種類や重さなど。何を基準にジグやタックルを選ぶべきなのか。

 ジギングには堤防や磯などからキャストして魚を狙うショアジギングもあるが、ここでは船から狙うジギングについて紹介したい。はじめて船のジギングに訪れる初心者にとって大切な、タックルの選び方や基本となる考え方を解説していく。

■ジギングで大切なのは狙う水深

広大な海に鉛の塊(ジグ)を落として大型魚を狙う(撮影:戸松慶輔)

 まずジギングで大切となるのは水深だ。狙う水深が決まればおのずと使うジグの重さやラインの太さが決まってくる。

 「ジギング」と言っても20メートルや30メートルの浅い水深を狙うスーパーライトジギングや、100メートルを超える水深を狙うジギングまでさまざまだ。魚を狙う水深は船で確認するしか方法がないため、ジギングへ行く場合は船を決めて狙う水深を確認することから始めよう。

■基本となるジギングタックルの選び方!

ジギングのタックルや使用するジグは、狙う水深によって変わってくる (撮影:戸松慶輔)

 水深が決まれば、いよいよジギングタックルを選んでいく。

 竿には使用できるジグのウェイトが記載してあるのでそちらを参考にしておこう。スペックよりも重めのジグも使い方によっては十分に扱える。

 そしてリールは両軸リールを選ぶとやりやすい。巻き上げとフォールを繰り返して釣っていく縦に展開するジギングでは、スピニングリールよりも両軸リールの方が使いやすい。

 糸はPEラインの0.8~1.2号を200から300メートル。リーダーはフロロカーボン5号から7号が基本となる。
50~60メートルよりも浅いポイントが中心なら、両軸リール100番台にPEラインを200メートル。水深100メートル前後のポイントが中心なら、両軸リール200番台にPEラインが300メートルあると安心だ。

■ジグの重さの基準は水深から判断する

水深100メートルで使う筆者愛用のジグ(200g)。平たい形状でヒラヒラとした不規則な動きで誘う(撮影:戸松慶輔)

 ジグの重さ選びの基準も水深から判断できる。狙うポイントの水深×1.2~2の重さのジグを揃えるのが目安となる。

 例えば60~70メートルを狙うのであれば、80〜120グラム前後のジグを。100メートル前後を狙うのであれば、120~200グラム前後のジグを用意しておこう。

 地域によって潮の流れが速い場所では、さらに重いジグが必要となる場合もある。地域特性が強いため、乗船する船が決まっている場合は要確認だ。