山口県下関市と福岡県北九州市門司区の間に位置する関門海峡。高速道路の関門橋が架かるほか、新幹線と在来線、国道の3本のトンネルが海底を通り、海の交通だけでなく陸の交通の要衝にもなっている。

 なかでも異色なのが、歩行者用海底トンネル「関門トンネル人道」。本州と九州を歩いて行き来できるレアな道で、観光客に人気のスポットだ。

 地元の人にとっては、強い日差しを避け、雨に降られることもないため、絶好のウオーキングスポットとなっている。

 記録的な猛暑に見舞われる一方、早い梅雨明け後も突発的な雨に降られることの多いこの夏。徒歩での越県ができる全天候型ウォーキングロードの魅力を紹介する。

■車道、人道が一体となった「関門トンネル人道」とは

「関門トンネル人道」の下関側入り口(撮影:藤田勝久

 トンネルは全長780m。独立したトンネルではなく、車道と一体となっており、上側2/3が車道、下側1/3が人道となっている。

 車道の出入り口は下関側、門司側とも海から離れたところにあるが、人道入り口は両側とも海峡に面している。ちょうど海峡が一番狭くなっている部分で、対岸の町並みがよく見える。