■思わず声が上がる美しい内観
お次は京都・竹中罐詰の魚介缶だ。竹中罐詰といえば「天の橋立 オイルサーディン」が知られているけど、じつはそれ以外の魚介類もたくさん手掛けている。なかでも僕が好きなのが「天の橋立 かき」「天の橋立 ホタルイカ」の2品であります。
同社の缶詰を開ける時、見ている人は思わず声を上げてしまう。サイズの整った魚介が整然と並んでいるのだ。原料の選別と詰め方に、細心の注意を払っているのが分かる。
オイルに浸ったその中身を、薄く切ったパンに載せればピンチョスになるのだが、それだけだと芸がない。どうせ雨に降り込められているのだから、パプリカとタマネギをじっくり焼いて細切りにし、副菜として添えることにした。
かくのごとし。パンの上に野菜とかき、ホタルイカ載せれば、色鮮やかなピンチョスの出来上がり。好みでブラックペッパーなどをかけるのもいい。
かきもホタルイカも、燻製してからオイル漬けになっているので、食欲をそそる香ばしい匂いがある。とはいえ燻蒸香はかなり控えめなので、繊細な香りのワインと合わせても喧嘩しない。かきは身が引き締まり、ねっとり濃厚な風味がある。逆にホタルイカは、燻製とは思えないほど身が柔らかく、とろりとした食感がある。どちらも後を引くうま味があるので、思わず食べ過ぎてしまいそうだ。
缶詰タパスは、缶詰の数だけいろんな味が楽しめる。特にピンチョスは具を載せるだけなので、好きな缶詰を選んで、どんどん載せればいいのだ。
より美味しくいただくには、オリーブオイルやブラックペッパー、レモンなどを用意し、ちょい足しできるようにしておく。今回のように焼いた野菜を添えるのも一案であります。
＜今回の缶詰情報＞
AKR Food Company「黒豚の白ワイン煮込み」 ¥540ほど／75g
竹中罐詰「天の橋立 かきくん製オリーブオイル漬」 105g
竹中罐詰「天の橋立 ホタルイカくん製オリーブオイル漬」 95g
※竹中罐詰の「オリーブオイル漬け」は限定セット品の1品。綿実油漬けタイプなら、かき¥870、ホタルイカは¥702で購入できる。
