兵庫県北西に位置する神崎郡の神河町や市川町は、落ち着いた観光ができる緑豊かなまち。関西の都心部からは少し離れているが、ハイシーズンでも他の施設より観光客がやや少なく、狙い目の観光地だ。映画『燃えよ剣』のロケ地の高原、全国1位の卵かけご飯、農業公園「ヨーデルの森」、コテージで楽しむバーベキューなど、あらゆる角度から夏を満喫できる。
今回は自然を生かした観光やグルメ、体験ができる神崎エリアの1泊2日のモデル旅を紹介する。
■緑一色の大パノラマが広がる夏の草原
西日本有数の規模となる、約90ヘクタールのススキの大草原が広がる神河町の砥峰高原(とのみねこうげん)は、県立自然公園に指定されている。数多くの映画のロケ地としても知られ、最近では新選組・土方歳三をテーマにした2021年公開作品『燃えよ剣』の舞台にもなった。この作品は主演の岡田准一さんが土方、鈴木亮平さんが新選組局長・近藤勇、山田涼介さんが沖田総司をそれぞれ好演した話題作で、「函館戦争の壮絶な戦闘シーン」で使用された。ほかに『ノルウェイの森』やNHK大河『平清盛』など、多数の有名作品の撮影場所となっている。
秋のススキが一番の見どころだが、緑が広がる春から夏のロケーションもまた、開放的な気持ちにしてくれる。勝ち目がないと悟っていた土方がどんな気持ちで新政府軍と戦っていたのか、想像してみるのも悪くはない。なお、筆者は道中で野生のサルに遭遇したので注意してもらいたい。