■ボランティア袋の使用上の注意点2点

 1点目は、ボランティア袋は基本的に公園や道路の掃除に使う物であり、家庭のゴミを、決して混ぜてはいけない。

 2点目は、自治体の規定にもよるが、地域をまたいで使えない場合がある。八王子市であれば、八王子市の市境を超えて利用することはできない。具体的には東京都の陣馬山から西、大垂水峠以南、金剛の滝以北、ここから先は別の自治体になるため、地元のボランティア袋が使えないのだ。詳しくは地元の自治体で確認を。

高尾山六号路にて清掃中(写真:園田広宣)

■登山届に清掃登山と記載しよう

 登山届には、ルートの他に但し書きの箇所がある。ここに「清掃登山」と記載。この記載で、もし事故が起こった時には通常の登山と行動パターンが違うことがわかるため、大切な記載になってくる。

■清掃登山のマナーと心得

 ゴミを拾う時は「軍手・トング」などを使い、素手で触れないように気を付けてる。ゴミの多くは登山道や藪に隠れており、危険物であったり素手で拾おうとして蛇に噛まれるなどの危険があるので要注意。

 また、登山中に目線から上に「赤いリボン」を目にすると思うが、これは藪漕ぎや雪山で道迷い防止やルートを確認するための目印。外したりしないように注意しよう。

■休憩所・傾斜・少し登山道からはずれた沢などに注目

登山道から少し外れたところに、ゴミは隠れていることが多い(写真:園田広宣)

 近年は登山者のマナーもよくなり、筆者が山岳部に入った27年前とは比較にならないほど登山道はきれいになっている。特にタバコの吸い殻が圧倒的に減った。今回の清掃登山でも5時間ほど歩いて、拾ったのは1つだけだ。また、落ちていたゴミを別の登山者が拾う姿も見かけ、マナーの向上は大変うれしいことだ。

 しかし休憩所、強い傾斜、はずれた沢など、人目につきづらい場所に、ひっそりゴミが残っていることが多い。注意してチェックする必要がある。

■絶対に無理をしない

 登山道の谷側や、沢に落ちているゴミは注意。状況によっては拾うのを諦めるのも大事である。今回の取材清掃中、無理にゴミを拾おうとして谷側に足を滑らせ数mほどぬかるんだ泥の谷を滑り降りてしまった。一歩間違えれば大ケガ、油断したと深く反省している。

 元の登山道から”大丈夫ですか?”と他のパーティの方が声をかえてくださった。ありがたい気持ちと、ゴミ拾いに夢中になっていた自分に対して誠に恥ずかしい思いをした。同じような轍を踏まないよう、注意をお願いしたい。

■一人ひとりの意識できれいな山を守ろう

 実際に清掃登山を行なってみるとわかるが、登山道のゴミは、無意識でポケットから落ちたアメの包み紙、風で飛ばされた地図・パンフレットなど、意図せず落としてしまうことが大部分だ。登山者一人ひとり、ゴミを拾っていく方が多くなれば、山も登山道もきれいに保たれる。改めて皆様のご協力をお願いしたい。