■フォルムもお顔も、どこか親しげのある佇まい

正面から見ると意外と普通だが…
横から見ると、この愛らしさ!
胸部には逆卍、雷、月、太陽などの記号が見える

 どどん。

 さあ、どうです。皆さんが頭の中で想像していた石仏とは、全然違うのではないでしょうか。

 横から見ると、さらにかわいらしい。この大きな胴体に対して、アンバランスな小さい頭がちょこんと乗ったどこかユーモラスな佇まいが、万治の石仏が長年愛される続ける理由です。 

万治3年(1660年)に建立されたことが名前の由来

 この石仏の謂れについては、他に詳しく書かれたサイトがたくさんあるので割愛します。

 が、トリビア的な話をすると、この石仏は「安山岩」という火山岩の一種で作られています。この種類の石は墓跡や城壁などにも使われる最高級品でして、有名なものだと、神奈川県の真鶴の山で切り出された安山岩(本小松石)が、船で江戸に運ばれて江戸城の城壁に使われたりしています。

御柱祭仕様のマンホールも探してみましょう

 話が逸れました。

 見た目だけでなく、お参りの仕方も独特です。まず正面で一礼をして手を合わせ、「よろずおさまりますように」と心で念じます。続いて、石仏の周りを願い事を心で唱えながら、時計回りにクルクルと3周(胴体の外径は11m85cm)。正面に戻って「よろずおさめました」と唱えて一礼して完了です。

「神々しい」っていうよりも、親しみの湧くルックス

「どうか、わたしの願いをお聞きいただけないでしょうか」

 そんなビシッとかしこまった気持ちよりも、「最近の悩みを聞いてほしいんだけけどさ…」と友人に相談するような、気軽さと親近感が不思議と湧いてくる仏様です。

 春宮と秋宮を繋ぐ参道周辺では、いろいろな石仏グッズを見つけることもできます。お土産を探しながら、2つの大社を繋いで街を散策してみましょう。