■フォルムもお顔も、どこか親しげのある佇まい
どどん。
さあ、どうです。皆さんが頭の中で想像していた石仏とは、全然違うのではないでしょうか。
横から見ると、さらにかわいらしい。この大きな胴体に対して、アンバランスな小さい頭がちょこんと乗ったどこかユーモラスな佇まいが、万治の石仏が長年愛される続ける理由です。
この石仏の謂れについては、他に詳しく書かれたサイトがたくさんあるので割愛します。
が、トリビア的な話をすると、この石仏は「安山岩」という火山岩の一種で作られています。この種類の石は墓跡や城壁などにも使われる最高級品でして、有名なものだと、神奈川県の真鶴の山で切り出された安山岩(本小松石)が、船で江戸に運ばれて江戸城の城壁に使われたりしています。
話が逸れました。
見た目だけでなく、お参りの仕方も独特です。まず正面で一礼をして手を合わせ、「よろずおさまりますように」と心で念じます。続いて、石仏の周りを願い事を心で唱えながら、時計回りにクルクルと3周(胴体の外径は11m85cm)。正面に戻って「よろずおさめました」と唱えて一礼して完了です。
「どうか、わたしの願いをお聞きいただけないでしょうか」
そんなビシッとかしこまった気持ちよりも、「最近の悩みを聞いてほしいんだけけどさ…」と友人に相談するような、気軽さと親近感が不思議と湧いてくる仏様です。
春宮と秋宮を繋ぐ参道周辺では、いろいろな石仏グッズを見つけることもできます。お土産を探しながら、2つの大社を繋いで街を散策してみましょう。