釣りに行く際、ハサミを持って行く人がほとんどだろう。なぜなら、釣り糸を切る道具として必需品だからだ。しかし、ハサミは別の用途でも使用することができる。魚の鮮度を保つため、釣り場でエラを切って血抜きする。その際、ハサミでエラを切るのが一番簡単だ。

 また、家で魚をさばく際にハサミを使用すると作業が早くなるうえに、怪我の予防にもなる。ハサミには多くの種類が存在するが、釣りや魚をさばくのに最適な専用ハサミを用いるのがおすすめだ。

■魚を楽にさばける釣り専用ハサミ

骨まで切り落とせる切れ味の良さが特徴

 無数に存在するハサミの中から筆者が使用しているのは、ささめ針から販売されている「ヤイバ魚絞めマルチシザース」だ。このハサミはとにかく切れ味がよく、エラはもちろん硬いヒレや骨まで切り落とすことができる。釣り用ということもあり、サビにくいステンレス鋼が使用されている。値段は2500円程度と決して安くはないが、長期間使用できることを考えると高い買い物ではない。

 切れ味の鋭い刃も大きな魅力だが、一番の魅力は手を入れる柄の部分だ。筆者は過去に何度もハサミの柄を折っている。大型魚を捌くとハサミの柄が魚の硬さに負けてしまい、折れてしまうのだ。その点、「ヤイバ魚絞めマルチシザース」の柄は非常に頑丈で、魚に負ける気配がない。

■魚さばきは、ハサミがあるととにかく早い!

ハサミを使えば素人にも包丁並みに素早く魚をさばくことができる

 魚をさばく回数が多い料理人やベテランの釣り師ならば包丁だけでも素早くさばくだろう。しかし、初心者が包丁でさばくとなると時間がかかる。魚をさばくのが大変で疲労困憊となった人もいるのではないだろうか。

 そんな魚さばきに慣れていない人には今回のようなハサミの使用をおすすめする。なぜなら、とにかく早くさばけるからだ。内臓を取り出す際に魚のお腹を開くが、その行程はハサミで行った方が圧倒的に早い。

内臓まで切らないようにする手加減もハサミなら簡単

 魚のお尻からハサミを入れ、頭の方に向かって切っていく。ハサミで切るだけなので、包丁に慣れない初心者や子どもでもスムーズに行える。

 しかし、お腹を開く作業は普通のハサミだとやりづらい。特に大型魚ともなると身が分厚く硬いため、歯が立たないこともある。しかし、釣り用のハサミは全くその心配がない。身の硬い魚として有名なウツボですら簡単に切ることができた。

硬い背骨も一刀両断

 魚の頭は捨ててしまう人がほとんどだろう。包丁で頭を落とす場合は、包丁を持った手にかなりの力を込めなくてはならないため、慣れない人がこの作業を行うのはヒヤヒヤものだ。この点でもハサミが役立つ。魚の頭も切り落とすことができるのだ。

 魚をさばけるハサミがあれば、内臓を取って頭を落とす作業まで楽に行える。三枚おろしや開きなどせず、焼く・煮る・蒸す・揚げるといった料理ならば、包丁はいらないことになる。非常に便利なアイテムだ。

■手の怪我防止にも繋がる

背びれなどの鋭いトゲは怪我の元となる

 魚をさばく際にヒレなどの鋭いトゲが手に刺さってしまい怪我をしてしまうことがある。ヒレを包丁で落とすのは難しいが、ハサミがあれば簡単に切り落とすことができる。

硬く鋭い背びれも紙のように切れてしまう

 紙を切るときのようにジョキジョキと切ることができる。背びれが鋭い魚は切り落とした方が確実に安全だ。しかし背びれは硬く、なかなか切れるものではないのだが、釣り用のハサミなら容易に切り落とすことができる。

背びれと腹びれを落とした状態。これで安全にさばくことができる

 背びれの他に腹びれも落とすことで魚を安全にさばくことができる。もちろん、これ以上さばかずに調理しても問題ない。ハサミがあるだけで、さばくのが早くなったうえに怪我の防止までできるのだ。