寒い季節のキャンプには必須の発熱インナー。普段の生活においても身近な存在だが、使用中にかゆみを訴える人がいることがさまざまなメディアで取り上げられている。なぜそのようなことが起こるのか、理由を調べて対策方法も紹介していく。
■発熱インナーは、なぜあたたかいのか?
発熱インナーについて重要な「吸着熱」という言葉の意味を説明し、発熱する仕組みを紹介していく。
吸着熱とは「物質が水分を吸着した時に熱を発する」という特性のことで、これは水分が蒸発する時に熱を奪う気化熱と逆の作用である。この吸着熱を発生させやすい化学繊維を利用したのが発熱インナーであり、体から発生している汗による水蒸気や「不感蒸泄(ふかんじょうせつ)」と呼ばれる、無意識のうちに皮膚や呼気から蒸散する水分が繊維に付着することで、熱を発生させる仕組みだ。
■使用中のかゆみの原因は?
では使用中のかゆみの原因とは何か? それは乾燥した肌と繊維の摩擦が大きな要因と考えられている。発熱インナーは吸水性が高く、発熱しやすい「レーヨン」、保温性を保つ「アクリル」、速乾性を持つ「ポリエステル」など化学繊維が掛け合わさった素材で作られており、その特殊な素材が肌に近く位置することであたたかさを生むため、ピッタリとしたシルエットになっている。
そして、冬の乾燥した肌にこのような素材が接することで刺激が生まれ、かゆみの原因になるのだ。
●体質や気候の問題
もともと乾燥肌であったり、化学繊維自体が肌に合わないという人もいる。冬は空気も乾燥しているため肌の水分も奪われやすい。
●静電気の刺激も肌には良くない
乾燥した肌は静電気をためやすく、静電気も乾燥肌に刺激を与える要因のひとつになるため対策が必要だ。