■スノーハイキング 3つの魅力

●その1 時間の変化を実感できる

真っ白な雪に映る夕焼けのオレンジ色

 朝から昼にかけては朝の凛とした世界が広がり、そこから時間が経つにつれて太陽の暖かさと太陽光が雪に反射し眩しく感じる世界に変わる。昼から夕方にかけては少しずつ気温が下がり、昼の眩しく感じる世界から日没のオレンジ色の世界へと。時間の移ろいとともに光の感じ方、変化を感じられるのも雪の中で楽しむスノーハイキングの魅力だ。

●その2 動物達の行動をイメージする楽しさ

ヒグマの爪痕

 森を進み、深雪を移動した鹿やキツネ、ウサギの足跡、木にヒグマの爪痕も発見。木の上部まで爪痕があり、コクワ(サルナシ)の蔓があったため、秋にヒグマがコクワ(サルナシ)を食べに登った跡だろうと痕跡を見て、動物たちが何を考え行動したのかを想像するのも面白い。

 他にも雪の上に見つけた黒い粒。周りを見るとカラマツ(落葉松)の木があり、リスがカラマツの実を食べた痕跡だとわかった。木の方向を見ると、葉も落ちているため発見しやすい。さらには木の葉が落ち、見渡しがよくなっているため、鳥達の鳴き声やキツツキのドラミング(キツツキが木に穴を開ける行動)の音も聞き取りやすくなる。

リスが食べた松ぼっくりの食痕(写真:小瀬祥太)

●その3 特別な思い出が作れる

 ただ白銀の雪の世界を歩くだけでも幻想的な世界が広がるのだが、森には不思議な力があり、森林浴にはリラックス効果がある。フィトンチッド(森林浴効果をもたらす森林の香り)やマイナスイオンの作用と表現されることが多く、このリラックス状態で五感を研ぎ澄まして山を歩くことで、忘れられない思い出となるだろう。

鹿の頭を発見

■スノーハイキングを楽しむ上での注意点

 誰でも楽しめるスノーハイキングだが、注意点もある。ほとんどの森林や山、雪原には管理者が存在し、日々管理されている。もちろん許可なく入ることは許されていない。雪の下では貴重な植物や生物が春に向けて準備をしているため、場合によってはその上を歩いて固めることで春の訪れを遅らせるなんてことにも繋がりかねない。さらには木からの落雪やツリーホール(木脇にできる落とし穴)もあり、頭上や足元にも注意が必要になる。

 スノーハイキングを行う際は管理者を確認し、入山届の必要の有無も確認する必要性がある。筆者は今回はガイド付きツアーを申し込むことで、管理者の確認や申請関係をクリアできた。また、冬の森の楽しみ方や生き物の痕跡などガイドの解説を聞くことができ、より冬の森が楽しめた。初めていく場所や初めて体験する方はガイド付きツアーをオススメする。

 夏には夏の、冬には冬の森の表情があり、動植物の世界が広がっている。気軽に冬の魅力を感じられるスノーハイキングに行ってみてはいかがだろうか?

●今回ツアーを実施したカンパニー「MOCAMUCA(モカムカ)」

住所:〒079−2202 北海道勇払郡占冠村 占冠
電話:090-9753-0916

URL:https://www.mocamuca.com/