昨日(1月7日)、長野県の諏訪湖で全面結氷が確認された。昨年に続き、2年連続となる。

 そんな厳しい寒さが続く冬に諏訪湖に現れる「御神渡り(おみわたり)」をご存じだろうか。

 以前は毎年のように出現していた「御神渡り」だが、近年は気候の変化により見られない年が多くなってきている。前回出現した2018年には、5季ぶりの「御神渡り」に地元は大いに盛り上がった。

 今回は、そんな諏訪の冬の風物詩「御神渡り」について紹介する。

■「御神渡り」とは、どのような現象なのか

厳しい寒さが続く冬に現れる「御神渡」(写真提供:諏訪観光連盟)

 「御神渡り」は全面結氷した湖の氷の一部がせり上がる現象のことだ。冬期にマイナス10度ほどの厳しい寒さが続き、諏訪湖が全面結氷することが「御神渡り」ができる条件となる。

 全面結氷した湖の氷は夜間に気温が下がると収縮するため、氷が裂けて亀裂ができ、その亀裂に入り込んだ水は薄い氷となる。朝になり気温が上昇すると氷が膨張し、亀裂の隙間にできた薄い氷が左右から圧迫されてせり上がる。これが「御神渡り」だ。

 せり上がりの高さは高ければ、人の背丈ほどにもなる。氷がせり上がる大音響が四方を山に囲まれた諏訪盆地に響き渡る「御神渡り」は、諏訪の冬の風物詩となっている。