北海道・白老町(しらおいちょう)で、2020年7月に開業した注目の施設、ウポポイ(民族共生象徴空間)。本記事では北海道在住ライターが実際にウポポイに訪れてわかったこと、施設の詳細やアクセス等を紹介する。

■ウポポイとは

伝統的コタンはアイヌの生活空間を体験できる

 ウポポイはアイヌ文化の復興と発展を目的とし、2020年7月に北海道・白老町に開業した施設。「ウポポイ」の語源はアイヌ語で「(おおぜいで)歌うこと」を意味する。国立アイヌ民族博物館をはじめ、体験交流ホールや学習館、コタンと呼ばれるアイヌ民族の伝統的な生活空間などがある複合施設となっている。

■国立アイヌ民族博物館

<国立アイヌ民族博物館>服飾や木彫りの作品など多くの展示が鑑賞できる

 アイヌ民族は北海道を中心とした日本列島北部の先住民族で、独自の言語や文化を育んできた。国立アイヌ民族博物館では「ことば」、「世界」、「歴史」、「くらし」、「しごと」、「交流」という6つのテーマで、アイヌの歴史や文化にまつわる展示品が鑑賞できる。

■国立民族共生公園

<国立民族共生公園>伝統的コタン内部の囲炉裏

 国立民族共生公園にはアイヌ古式舞踊やムックリ・トンコリなどの楽器の演奏が楽しめる体験交流ホール、アイヌ料理の調理を経験できる体験学習館(一部要事前予約)、アイヌの手仕事の体験ができる工房、アイヌ民族の伝統的な生活空間であるコタン(※注1)などがある。伝統的なコタンの周辺では、弓矢で的を狙う狩猟体験をすることができる。

※注1 集落や村など、アイヌ社会の基本単位を表す言葉であるが、住居に対しても使用される