日帰りで気楽に山を歩こう!  山をこよなく愛する人気女優・釈由美子さん(43)をガイド役に迎え、初心者のための日帰りから始める、"山歩き"のハウツーをお届けしたい。今回は釈さんと、山岳写真家の杉村航氏が山歩きに関する基本的な質問に答える。

【PART4】

■事前にやっておきべきこと、やっておかなければならないこと

登山の前の情報取集はとても重要

●Q1. 山歩きを始めたい人がまず、最初にやるべきことなにか?

 山歩きを始めたいと思ったら、まず何をすればいいのか? 「情報を集めることが大事です。まず、ガイドブックを読んでみたり、初心者向けの情報をインターネットで検索することから始めましょう。それから、アウトドアの専門店に行けば、いろいろと情報が得られます」(杉村氏)。

 専門ショップでは店員がいろいろ相談に乗ってくれるし、さまざまな山グッズを比較することで知識を増やすこともできる。どんな専門ブランドがあるかも分かってくるだろう。「ショップは、初心者対象の登山ツアーをやっていることもあるので、仲間が見つからない人は、そこに参加するのもいいと思います」(前同)。

 また、身近に登山をやっている人がいたら、話を聞くだけでもプラスになる。場合によっては、山に連れて行ってもらえることもあるだろう。

スマホ、方位磁石&紙の地図を活用して道迷いなどを防ぎたい

●Q2. リスク管理で必要なことはなにか?

 低山であっても道に迷う人がいるし、事故もある。急に霧で視界が悪くなることも。万が一の事態に備え必要なのは「登山計画書」を出すこと。各都道府県で決められた提出先や登山口にある投函箱に、氏名、登る山の名前、登るルートなどを記載した紙を提出する。

「家族に、どの山のどのルートを登るかを知らせておくことも大事です。『コンパス』というウェブサイトなどの電子登山届も便利でしょう」(杉村氏)。

 また、道迷い対策については、「オススメなのは紙の地図とコンパス(方位磁石)を持参すること。自分が今、どこを歩いているかを把握しながら歩けば迷いにくいですし、それを続けていくと山歩きスキルもアップします」(杉村氏)。

 なお、携帯電話は非常時の連絡手段となるが、電波の弱い山では、バッテリーが消費しやすいので、通常は機内モードにしておくのがいい。

 もうひとつ、リスクの面で覚えておきたいのが高山病についてだ。

「初めて富士山に登ったときは、高山病に苦しんで、登頂できなかったんです」(釈さん)。

 2000mを超える山では体調が悪くなる可能性があるし、3000メートルの山となればなおさらだ。

「初心者の方でも、ゴンドラやロープウェイで2000mを超えた地点まで行ける山で、その先を欲張って登ると、高山病になるリスクもあります。やはり、無理をしないことが大事ですね」(杉村氏)。