山梨県警発表の1ヵ月間(7月26日~8月25日)の山岳遭難発生状況を元に、山梨県在住ガイドが地域課へのインタビューを行った。

山系別遭難発生状況、御坂山系1件(14%)、南アルプス山系4件(57%)、秩父山系2件(29%)『山梨県警発表、2021年7月26日~8月25日』

■2021年8月の山梨県の遭難 

 山梨県の8月の遭難件数は7件あった。7月の17件(同時期)に比べて減少した。天候に恵まれた海の日連休に比べて、8月はお盆連休付近の悪天により登山者が減ったため、遭難も減ったと考えられる。
 また、7件のうち4件が南アルプス山系で起きており、県内の山岳のうち、夏季に人気が高い白根三山での下山中の疲労からはじまる遭難の割合は、先月に引き続き高い。

■そもそも遭難とは?

 「登山道上にいても自力下山できなければ、それは遭難」だ。

 登山道上にいたとしても救助を呼んだ場合、「人命救助」にあたるので第一優先になり、状況がどうであろうと下山するまで対応が必要になる。例えば、救助要請した後に状況が好転し自分で帰れるようになった場合、携帯の電波が繋がった時点でいち早く再連絡する必要がある。救助要請の一報によって、いくつもの可能性を踏まえてどうしたら早く救出できるのか、救助体制が整えられ、たくさんの人が準備している。また救助要請した後に、慌ててその現場から離れることは、余計に捜索を難しくする。