人気のスノースポーツ、スノーボードが縦に割れて、山も登れるって知ってる?

■では、どうやって遊ぶのか見てみましょう

スプリットボードは、2枚の板を組み合わせて1枚のスノーボードになる

 雪山を自分の足で登って滑る「バックカントリー」。
「山スキー」や「山スノーボード」などとも言われていますね。ふわふわのパウダーを滑る浮遊感や、雪山の雄大な景色にひかれて、人気があるスノースポーツ! 新雪の上を歩くのは足がもぐってラッセル(雪をかきわけて進む)が大変ですが、2つに割れるスノーボード(以下、スプリットボード)やスキーを使うと表面積が増えて楽に雪の上を歩けるのです。すいすい山を登った後は、スプリットボードをスノーボードに戻して、まだ誰も滑っていない新雪の上に自分のシュプールを描く。さあ、最高な一日の始まりです!

■シールとはなんぞや?

登るときは2本の板にそれぞれシールを貼る。滑るときははがす

 シールがないと登れません。由来は英語でアザラシを意味するsealからきています。地球の極北地域に住む人達が移動のときにスキー板の裏側にアザラシの毛皮をつけて、行動しやすくしたのが始まりだとか。短く密集した毛が一方方向に寝ていることで、前方向には進むけれど、後ろ方向には寝ていた毛が逆立ってブレーキがかかるようになっています。その毛の逆立ちで、斜面でも後ろにずり落ちずに登れます。寒いところで暮らす人たちの知恵ですね〜 うまいこと考えられているなぁ。

■スプリットボードのビンディングはココが違う

ハイク中の足元。固定されているのはつま先だけで、かかとが上がるので歩きやすい

 スノーボードのビンディングは調整して取りつけたら基本はそのまま使いますよね。じゃあ、スプリットボードのビンディングはどうなるのか。ハイク(登り)とライディング(滑り)で同じビンディングを違う位置へ付け替えるんです。 登りはスキースタイルで2本それぞれに縦にガシャン! いざ、滑ろう!という時には、1本にくっつけたスプリットボードに横にシュッとスライドさせて、スノーボードスタイルにという、パウダーをスノーボードで滑りたい方にピッタリの道具なんですよ。

■スプリットボードなしで雪の上に立つとこんなに沈む!

横にしたトレッキングポールが雪面の位置。腿(もも)パウ、ですね

 ふかふかの新雪の山を歩く道具には、スノーシューや、ワカンという道具もありますが、スプリットボードやスキーの浮力にはかないません。 2本の板は交互にスライドしながら歩けるため、浮力以外にも、安定感があり、足から推進力が伝わりやすい構造になっています。 スプリットボードが広く流通する前はスノーボードを背負いスノーシューで歩いていたのですが、年齢があがるとともに・・・ 今ではもう戻れません。

後編へ続く