ワームで釣るアジングは釣れるパターンを探し、再現性を見つけてどんどん数を釣っていくのが楽しい釣りだが、実は春先はサイズも大きく、体高のある“良型”が混じりやすいシーズンでもある。筆者が住んでいる瀬戸内海エリアでは、水温が徐々に上昇し始めるタイミングで、産卵に向けて体力をつけるために、エサを捕食する個体が接岸しやすくなる。いわゆる“プリスポーン”(産卵の前準備の状態)だ。

 良型を狙って釣るのは難しいテクニックが必要に思えるが、ポイントとレンジを押さえれば初心者でもサイズアップを狙える可能性がある。今回は瀬戸内海の夜の防波堤、港湾部をベースに、春のアジングの基本的な釣り方を紹介する。 

■今からの時期、なぜ良型が釣れやすいのか?

 春に向けて水温が安定し始めると、アジは産卵に備えて捕食行動が盛んになり、いわゆる“荒食い”を始める。ただし体力維持のために無駄な動きを避けるので、捕食しやすいプランクトンやゴカイなどの多毛類を意識して捕食する傾向が強くなる。

 すべてのアジがそうなるわけではないが、このような理由から比較的アジへのコンタクトがしやすく、回遊のタイミングが合えば20cm後半から尺(約30cm)近いサイズが混じることもある。

 瀬戸内海は潮の干満差があり、エサとなる生物が溜まりやすい地形も多い。港湾部や常夜灯周りにはプランクトンが集まりやすく、それを捕食するために良型が集まってくるケースも見られる。

 冬の低活性時とは違い、エサを食べる意識が強い個体が混じるので、それを防波堤や漁港から狙う。この時にタイミングや釣り方次第でサイズアップが期待できるのがこの時期の特徴だ。

春先の尺アジと良型アジ

■初心者でもサイズを狙いやすいポイント

 まず良型を釣るうえで意識しておきたい、どのポイントでも当てはまることがある。それは底を意識すること。アジは海の上の層から下の層に下がっていくにつれて、サイズが大きくなる傾向が強い。そのため良型を狙うなら下の層を意識することが重要になってくる。ただし絶対ではなく海の状況によるところも大きいので、よく釣り場の状況を確認する必要がある。また、潮止まりよりも緩やかに動き始めるタイミングや潮が流れている時間で、アタリが出ることが多い。

 アジングは基本的に夜の釣りになるので狙うポイントとしては、常夜灯がある場合は、明るい中心部よりも、その外側の明暗の境目や少し暗い側で反応が出ることが多い。筆者の経験上、警戒心の強い良型のアジほど、明暗の暗い側でなおかつ潮が当たる側に付く傾向がある。

 水深のある堤防先端部や、船道と呼ばれる漁船などの通り道で底が深くなっている場所が通っているポイントもサイズが出やすい場所のひとつ。足元だけでなく、少し沖側を意識して探るだけでも結果が変わることがある。

 そして意外かもしれないが河川の河口部や砂浜などもこの時期はアジが回遊してくるので、良型のアジが釣れることが多い。

常夜灯と潮流のヨレが合わさるところで良型のアジが釣れた

■良型が出やすい時間帯とレンジ

 夜釣りが基本だが、より良型を狙いやすい時間帯がある。日没の前後1時間ほどの夕まずめから夜にかけては、良型が回遊しやすいタイミングだ。日中よりも外敵などから受けるストレスが下がり、岸寄りに回遊してくる個体が増える。

 表層でもアジからの反応があることは多いが、良型を狙うのであれば、レンジは表層だけにこだわらず、中層や底付近を丁寧に釣ることが重要。

 ジグヘッドの重さを調整し、同じ水深を狙うために、ワームが着水後から秒数をカウントしてワームを沈めることで、釣れたときの再現性も高まる。

 「アタリがない」と感じたら、ジグヘッドを少し重くしたりカウントを増やしてレンジを下げてみるだけでも反応が変わることがある。ただし、あまり沈めすぎると根がかりのリスクが高くなるので気をつけよう。

夕まずめ時の海と沖の方にある潮目(潮流の境目)