舗装路や砂利道をはじめ、雪道など様々な地形を駆け抜けるモータースポーツのラリー。その最高峰である世界ラリー選手権(WRC)では、トヨタのヤリスGRを駆る勝田貴元選手が活躍するなど、日本での注目度も急上昇。今回は、旧碓氷峠周辺にて開催された「加勢裕二杯 MONTRE 2025」を体験しました。

重要文化財に指定されている「めがね橋」の脚元をラリーカーが駆け抜ける

■旧道の森を走るラリーマシンを遊歩道から無料観戦!

 ラリーとは、ドライバーとナビ担当のコ・ドライバーがペアを組み、SS(スペシャルステージ)と呼ばれる区間をタイムアタックし、複数のSSの合計タイムで競うというモータースポーツ。多くのSSは公道を走るというレースマシンとの距離感の近さから、世界中で大変人気があります。

 今回観戦に訪れたのは、2025年6月7日〜8日に群馬県安中市と長野県軽井沢町を舞台に開催された全日本ラリー選手権第4戦「加勢裕二杯 MONTRE 2025(モントレー2025)」。なかでも人気の「SS2  Old Usui Touge 1」と「SS3 Old Usui Touge 2」と名付けられた2つのSSです。

旧信越本線の跡地を整備した遊歩道「アプトの道」

 SS2とSS3ともに国道18号線(中山道)に設定された9.1kmのダウンヒルコースを走行。長野県境に近い碓氷峠修路碑の近くからスタートし、碓井湖の北へと下っていくという、まさにカーバトル漫画『頭文字D』で描かれたコースをなぞる形になります。

「めがね橋」からコースを望む。橋は通行のみで中央部での観戦は不可となっているが、その絶景は必見

 このSSの大きな特徴は、観客が安全にラリーカーの走行を間近で見られるように観戦エリアが設けられている「ギャラリーSS」であること。F-1などのサーキットレースとは全く違う距離感でモータースポーツが体感できるというわけです。

アプトの道の終点である「旧熊ノ平駅」には旧信越本線の鉄道遺構が残る

 しかもその多くは緑深い中山道のワインディングロードを見下ろすように続く遊歩道の「アプトの道」からも入場無料で観戦が可能。モータースポーツであると同時に旅心をそそるアウトドアアクティビティでもあるのです。

コースのすぐ横にも観戦ゾーンが設けられていた