標高は2,031mで、都心から電車でアクセスでき、森林、草原、そして岩場と、変化に富んだ登山ルートが楽しめる「乾徳山(けんとくさん)」。特に岩壁登りに挑戦してみたい登山者向けの山でもある。危険も伴うため、いろいろな技術や知識を身につけるまでは経験者同伴をおすすめする。
本記事では、乾徳山の基本情報、ルートの特徴、そして筆者が実際に岩場を登った時の状況について紹介する。
■都内から日帰りで楽しめる乾徳山

乾徳山は、山梨県山梨市に位置する。富士山の展望や草原地帯の開放感、そして山頂直下に待ち構える岩稜帯が特徴的だ。ルート全体の所要時間は約6時間前後。無理のない日帰り計画が立てられるため、挑戦しやすい。
■新宿から約2時間で登山口へアクセス!

新宿からJR中央本線の特急「かいじ」に乗車し、塩山(えんざん)駅までの所要時間は約1時間半。そこからタクシーで約40分ほど(片道6,000円程度)走ると、大平高原登山口(標高約1,460m)に到着する。
登山口までのタクシー利用は、同乗者を募ると効率がよい。また、塩山駅周辺は、下山後にグルメや観光を楽しめるスポットも豊富で、1日を通して山と街の両方を満喫できる。
■森林帯から岩稜帯へ。乾徳山のルートの魅力

登山口を出発すると、まずはブナやミズナラの森林帯が続く。木漏れ日の中、踏み固められた登山道を歩く時間は、まるで深呼吸をしているような癒やしの時間である。この区間は傾斜も緩やかで、ウォーミングアップに最適だ。

標高を上げるにつれ、徐々に視界が開けてくる。乾徳山の中腹には草原地帯が広がっており、運がよければ鹿や野鳥にも出合える。このあたりから富士山のシルエットも確認でき、カメラを構える登山者も多い。
さらに進むと、いよいよ山頂部の岩場が登場する。名物の「鳳岩(おおとりいわ)」は、直立した岩壁に鎖が打ち込まれたルートで、乾徳山登山のハイライトとも言える。