北アルプス北部、白馬連峰の夏山シーズンの到来を告げる「第59回貞逸祭・白馬連峰開山祭」が、5月31日に白馬村内にて開催された。

近代登山の黎明期、白馬連峰における山小屋の創業、観光登山の発展に尽力した松沢貞逸の功績を讃える“貞逸祭”と登山者の安全を祈願する山開きとしての“開山祭”となっており、今回で59回目となる歴史ある行事だ。
当日は雨予報だったために急遽会場が変更されたが、雲の合間から見え隠れする白馬の山並みと深まる緑のコントラストが美しく、白馬村の丸山俊郎村長をはじめ、山小屋関係者や地元ガイドの白馬山案内人など約100人が参加して山での安全を願った。
ここ数年稀にみる豊富な降雪に恵まれたスキーシーズンを終え、夏に向けて観光や登山で多くの人が訪れる白馬エリアの夏山シーズンがいよいよ始まろうとしている。

しかし、白馬岳登山の人気ルートである白馬大雪渓へ向かう『県道白馬岳線(二股~猿倉間)の冬期通行規制(冬期閉鎖))が解除延期となっており、加えて昨年秋より登山口となる「猿倉」駐車場の亀裂による利用禁止も課題となったままだ。そのため、例年であれば同時に開催される白馬三山縦走登山ツアーや大雪渓トレッキングが今年は中止となっていた。
復旧に向けた具体的な計画はまだ確定していない。状況は随時変化していくので新しく正確な情報は白馬村の公式HPを参照されたい。
白馬村公式HP https://www.vill.hakuba.lg.jp/index.html
一方、猿倉および大雪渓ルート以外からでも白馬連峰の登山を楽しむことができる。八方尾根から唐松岳を経ての稜線(ただし白馬岳方面へは難所「不帰ノ嶮」がある)や北隣の小谷村、栂池高原から白馬大池を経由するルートなど。また八方池へのトレッキングなど、周辺には山歩きを楽しめる場所が豊富にある。山の花々も咲き出すこれからは、行楽にもってこいの季節でもある。いずれにせよ登山道の状況を含め、気象条件等を鑑みて安全で楽しい夏山シーズンを過ごしたい。