■多彩なハナカミキリ

 ハナカミキリにはさまざまな種が存在しており、その姿も多彩だ。というわけで、ヨツスジハナカミキリ以外の種をいくつか紹介しよう。

アカハナカミキリ

 まずは、アカハナカミキリ。名前の通り、“赤い姿”が印象的な種だ。ただし個体変異があり、胸部が黒い個体もいる。僕は見たことはないが、全身が黒いものもいるらしい。ノリウツギやシシウドなどの花に集まる。山地で見られることが多いが、平地でも見られ、身近な場所で見られるハナカミキリの一種と言える。

マルガタハナカミキリ

 次に、マルガタハナカミキリ。カミキリムシというとスマートでスタイリッシュな姿のものが多いが、この種のような寸胴なものもいるのだ。模様と相まって牛のような印象を受ける。ノリウツギ、シシウド、ヒヨドリバナなどの花に集まる。こちらは山地性の種だ。

カラカネハナカミキリ

 そして、カラカネハナカミキリ。美しい金属光沢を持つ種で、実物の輝きは見惚れるほどだ。なお、こちらも色彩には個体変異があり、色味は複数存在する。ノリウツギ、シシウドなどの花に集まる。こちらも山地性の種だ。

■ハナカミキリを探して観察してみよう

 複数のハナカミキリの特徴を書いてみると、ノリウツギ、シシウドあたりは多くのハナカミキリが好む植物であることがわかる。特に山地に行った時は、ハナカミキリを観察するうえでこれらの植物は見逃せないだろう。

 一方、冒頭で紹介したアジサイは、ごく身近な場所でハナカミキリ(ヨツスジハナカミキリ)探しをすることができる植物だ。6〜7月は出会える可能性が高めなので、ぜひ探して観察してみてほしい。