■箱根外輪山の自然満喫!  明神ヶ岳ピストンコース

苔につつまれ幻想的な様相の、火打石岳へと続く登山道

●朝の爽やかな稜線歩きで火打石岳へ

青空の下、気持ちいい稜線歩きが楽しめる

 登山のスタート地点である金時見晴パーキングの標高は約900m。きれいに整備された駐車場だが、トイレはないので事前に済ませておこう。

 登山道は両側を背の高い笹に覆われた、なだらかな登り道から始まる。わずか10分ほどで矢倉沢峠(やぐらさわとうげ)だ。峠からは、箱根外輪山の稜線が広がり、風に揺れる笹と、壮大な箱根の山々の景色を楽しみながら歩ける。

 春から初夏にかけて、この稜線ではハルジオンなどの山野草に出会うことができる。緩やかなアップダウンを繰り返しながら進むと、やがて火打石岳(ひうちいしだけ)に到着だ。周囲を見渡せば、標高1,212mの金時山が間近にそびえ、箱根の山々を望むことができる。

 次の目的地である明神ヶ岳に備えて小休止しよう。

鮮やかなピンクで登山道を彩るヤマツツジ
白やピンクの花を可愛らしく咲かせるハルジオン

●尾根道を抜けた先に待つ明神ヶ岳の大展望

稜線を振り返ると、金時山の特徴のある姿が見える

 火打石岳を後にしてしばらくは、なだらかな稜線歩きが続く。草原状の尾根道は視界が広く、真っ青な空がぐっと近くに感じられる贅沢なコースだ。さらにツツジの鮮やかなピンクが登山者を楽しませてくれる。

 晴れた日には左手に富士山が見え、つい足を止めてしまうが、明神ヶ岳山頂の景色も負けず美しいので先へと進もう。

 山頂直下でも変わらず美しい稜線が続くが、少し勾配が急になるのでペースを抑えて進もう。そうして辿り着いた明神ヶ岳の広々とした山頂にはベンチとテーブルが備えられている。南側には大涌谷や箱根山、遠くに愛鷹(あしたか)山塊まで見渡せ、北へ目を向ければ金時山や富士山が仲良く並んでそびえ立つ。これまでの稜線を振り返りながら、しばし絶景を堪能しよう。

●来た道を戻り駐車場へ

 山頂の余韻を胸に、同じ道を下る。帰路も同様に、細かなアップダウンが続くので慌てずに進もう。火打石岳は巻き道で回避もできるので、体力と相談してコースを選択するといいだろう。

 火打石岳を過ぎると、あとは緩やかな下りが続く。しばらくすると矢倉沢峠だ。ここまで来たら駐車場まではあと一息。

 危険な行程もなく、花々にも触れ合えるこのコースは、箱根登山の中でも特におすすめだ。ビギナーやファミリーでも挑戦しやすいので装備を整えて、ぜひ足を運んでほしい。

 

●【MAP】明神ヶ岳

●【MAP】矢倉沢峠

●【MAP】金時見晴パーキング