新婚旅行先探しをきっかけに知ることになったミルフォードトラック。これまで第1回「全体概要」編、第2回「峠超えをNZ最大の滝」編、第3回「雨の54km完歩」編とレポートしてきましたが、全4回にわたるミルフォードトラック連載もいよいよ最終回。

 今回は軽量化にこだわった装備とクイーンズタウンのオススメグルメで旅の裏側を完全公開します!

筆者の身長は155cm、バックパックは最大40リットルのタイプです

第1回|世界遺産の“世界一美しい散歩道”「ミルフォードトラック」体験記・全体概要&1日目──夢のトレイルへ出発!【5/28 山小屋ネット予約開始】

第2回|世界遺産の“世界一美しい散歩道”「ミルフォードトラック」体験記・2日目&3日目──原生林の森を抜け絶景峠へ!NZ最大の滝に圧倒

第3回|世界遺産の“世界一美しい散歩道”「ミルフォードトラック」体験記・4日目&5日目──54km完歩!苔きらめく雨のトレイルと滝クルーズ

■荷物の軽量化について

 今回私たちは、ミルフォードトラックに行くにあたり、荷物の総重量をできるだけ軽くするように頑張ってみました。これまでウルトラライトに拘ってきた訳ではありませんが、合計54kmを歩くうえで体力にそこまで自信がないため、「絶対に軽い方がいい」と思い、いくつかの装備を買い揃えました。

 結果、お水1リットルを含めて合計7kgに抑えることができました。ミルフォードトラックへ持参した全荷物を紹介します。

●4泊分の装備公開

こちらが持参した荷物の全てになります

バックパック:容量40リットル

 新しくバックパックを購入しました。これまで使っていた容量40リットルの重量は約1.5kgありましたが、今回購入したものは同じ容量で約800gです。軽量なバックパックは比較的肩の加重が大きいものが多いですが、肩が凝りづらくより軽く感じるので筆者は腰加重(=しっかりしたヒップベルトがある)タイプをセレクト。

 ハイパーライトマウンテンギアというアメリカのブランドのバック「アンバウンド 40」を購入。結果、とても快適に歩くことができたので決して安くないですが買って正解でした。

雨具:レインウエア上下、ザックカバー

 ミルフォードトラックの年間降水量は7,000~9,000mm。雨具は必須です。薄手で軽量なレインジャケットを持参しました。

防寒具:フリース、ウィンドジャケット、中綿入りジャケット、手袋、ダウンブランケット

 朝晩は基本10℃を下回ると思っていた方がよいです(11月時点)。特にマッキンノン峠を越える際は森林限界を超え風が強いことが多いので、フリースとウィンドジャケットが頼りになりました。中綿入りのインサレーションジャケットは主に宿で着ていました。

 筆者がもともと持っていたフリースが少々重たく、ポーラテックから発売中のアルファダイレクトという非常に軽量で暖かいフリース(105g)を購入しました。軍用に開発された素材で通気性に優れ、運動量が多くても着用し続けられますし、1枚羽織るとしっかり暖かくなるアイテムです。

ポーラテック アルファダイレクトのフリースを着用しています

 よっぽど寒ければ腰に巻こうとダウンブランケットを持参しましたが、こちらは一度も使うことはありませんでした。

山で使う備品:トレッキングポール、サングラス、ドリンクボトル、虫除けスプレー 、防虫ネット、薬

 トレッキングポールはマウンテンキングというブランドのカーボン製のとても軽いお気に入りのポールを持参(125g)。3つに折りたたんでバックパックのサイドポケットに収納できます。

 虫除けスプレーは第1回のレポートで商品を紹介していますが、現地で購入したものをすぐ出せるポケットに。

 また、サンドフライ対策として、養蜂場の方などが頭から被っているネットも持参していました。結果虫除けスプレーがよく効いたのでネットは使わずに済みました。 

 サンドフライに刺された時のために、ステロイド入りの塗り薬、ムヒ、ポイズンリムーバー、バンドエイドをセットにして持っていました。

水分補充:ドリンクボトル500ml、ソフトフラスク500ml

 持参する水分については、宿で水を補充して出発し、途中休憩できる小屋でも補充できることがあるため500mlのボトルを2本持っていればやりくりできました。

 1つは蓋を開けずにすぐに飲めるタイプのソフトなドリンクボトルにして、ショルダーハーネスのポケットに入れ、歩きながらでもすぐに給水できるスタイルが筆者のお気に入りです。

ソフトボトルは画像左。この2つのボトルを持参しました

部屋着:ウールのロングTシャツ、フリースパンツ、ウール靴下、サンダル

 ロッジで過ごす用にウール素材のロングTシャツと非常に軽量なフリース素材のパンツ(103g)、ウールの靴下を持参。これにウィンドジャケットを羽織っていることが多かったです。

 また、サンダルが宿にないので折り畳める簡易的な軽量サンダルをAmazonで購入。ご飯を食べる時や寝る時も毎日同じ格好でした。

帝人のオクタという素材を使用した軽量フリースパンツ

着替え:ほぼゼロ

 ミルフォードトラックに行く前に、とある方のブログを読み、ロッジで毎日洗濯できてドライルームで乾かせると見たので、思い切って着替えは持参しませんでした。

 洗濯中に着替える下着と、靴に浸水した時に備えトレッキング用の靴下を各1つ持っていましたが、それ以外は毎日同じものを洗って着ることでかなり荷物が削減できたと思います。 

宿で使う備品:ハンガー、携帯充電器、洗面用具、化粧品、ヘッドライト

 ドライルームがあると聞いていたものの、詳細は分からなかったのでピンチ付きの折りたたみハンガーを持参していました。結果、あってもいいですが、なくてもドライルームの棚があるので何とかなります。

 洗面用具は普段使っているシャンプー、リンス、クレンジングを小さい容器に詰め替え、洗顔料は個包装されているパウダーを持参。ボディソープは宿のものを使いました。

 化粧品は最小限に。日焼け止めにアイブロウパウダー、チークの3点です。 

 22時に全ての電源が落ちるため、ヘッドライトは必携。

使わなかったもの:クマ鈴、エナジーバーなどの行動食

 ニュージーランドにはクマとヘビが生息していません。それを知らずにクマ鈴を持参していましたが、不要でした。

  続いて行動食です。朝食会場にあるスコーンやフルーツを持っていける他、トレイル途中の小屋におやつが置いてあることも。事前にある程度は分かっていたものの、念のためプロテインチョコレートバーやナッツバーを数本持参し、結果的に筆者が食べたのはチョコレートバー1本のみでした。 

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 以上が全装備になります。毎日の行動着としては、ミレーの「ドライナミック メッシュ タンクトップ」に、速乾性のある長袖シャツ、速乾で軽量の長ズボン、ローカットの防水トレランシューズに帽子を被っていました。

 ウルトラライト初心者にしては、なかなか軽くできたのでは? と思っています。なお、個人ツアーの方は追加で寝袋や全日程分の食料を持参する必要があります。

 ちなみに、ガイド付きツアーを催行しているアルティメットハイク社からいくつか装備をレンタルすることが可能のようです。一緒に参加していた方が雨具やバックパックを借りていたのですが、重たいと言っていました。

 軽量を基準にレンタル品を用意してはいないと思いますので、体力に自信がない方や出来るだけ疲労を抑えたい方は、参考にしてもらえたら嬉しいです。 

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