2024年春夏シーズンにミステリーランチからリリースされた、軽量パック「レイディックス」。カラーやサイズによっては、オフィシャルサイトをはじめ、早くも品切れ店が続出しているらしい。

 そんな話題の新作について、三鷹でウルトラライトハイキングのお店「ハイカーズデポ」を営む土屋智哉さん、ミステリーランチの輸入元「エイアンドエフ」でブランドを担当している関口知英さんのお二人に、それぞれの視点からお話を伺いました。

■ミステリーランチらしさを踏襲した「軽量なロンディスタンス向けバックパック」

ミステリーランチ/レイディックス31  ¥30,800 他に47ℓ、57ℓの3サイズ展開

 まず、レイディックスシリーズのデザインコンセプトと特徴について、関口さんに伺いました。

 「レイディックスシリーズは、“ロングディスタンスハイキング”をコンセプトにミステリーランチが開発したモデルです。優れたフレーム構造やハーネスによる、ミステリーランチらしい抜群の背負い心地や耐久性はしっかりと踏襲しつつ、十分な軽量化も果たされているのが特徴です。また、荷物へのアクセス性やユーザーの好みに柔軟に対応するカスタム性など、“快適に長く歩く”ことを念頭に置いてデザインされています」

 私たちユーザーとしては、質実剛健が売りのミステリーランチがこうした軽量パックを手掛けることに驚きがありましたが、土屋さんは第一印象をこう語ります。

 「北米の長距離トレイルである、パシフィッククレストトレイルやアパラチアントレイルを歩いているハイカーが好むようなスタイルですね。現在のシーンのトレンドをしっかりと押さえてデザインされたモデルだなと感じました」

■ULパックと長距離ハイク向けのパックは似て非なるもの

レイディックスには現在のトレンドがうまく落とし込まれている

 レイディックスは、そのスペックから“ミステリーランチのウルトラライトバックパック(以下ULパック)”という捉えられ方をされがちです。しかし、土屋さん曰く、レイディックスは“ロングディスタンスハイキング向け”。ULパックとは、似ているけれど違うものだと言います。

 「日本のマーケットの中では、軽いバックパックはすべて『ULパック』と総称されがちです。ユーザーさんも販売店も、ULパックとロングディスタンスハイキング向けのバックパックを混同してしまっていることが多いのですが、この2つは重なる部分はあれど、じつは異なるものなんです。2010年以降は、軽さを徹底的に追求したULパックだけではなく、使い勝手や背負心地も重視した軽量なロングディスタンスハイキング向けのモデルが主流になってきている。レイディックスは、こうしたトレンドを踏まえたバックパックなのかなと捉えています」

ULや長距離ハイキングの話になると、思わず力が入って止まらなくなる土屋さん

 一旦極端な軽量化を果たしたULパックは、非常に使い方と使う人を選ぶ仕様になってしまったそう。そこで、近年の軽量パックは軽さと快適さを兼ね備えたフレームやハーネスを搭載することで、よりユーザーに優しい造りに回帰しているそうです。

 このあたりの細かい解説については、土屋さんのお話が止まらなくなってしまったので、動画にてご確認ください!