■料理としておいしい新生姜入り

個人的にもっとも気になったのは、「岩下の新生姜入り」だった。岩下食品とのコラボで実現した商品で、4mm角にカットした岩下の新生姜がコロコロ入っている。味付けのベースは塩味だというが、果たしてちゃんとマッチしているのか?
まず驚いたのは新生姜の食感だった。柔らかく煮えていると想像したが、シャキシャキした食感が残っているし、その鮮烈な風味も残っていて爽やか。焼き鳥の旨味をうまいこと引き立てていて、料理としてかなりおいしいのだ。個人的にも買い続けたいと思った商品であります。
■期待を裏切らない甘じょっぱさ

焼き鳥とつくねが一緒に入っている「とりつくね・たれ味」は、2013年に発売されてから少しずつブラッシュアップを重ねてきた。今回はタレにネギの風味を新たに加え、品名も「ねぎだれ味」に変更しての登場だ。
焼き鳥は期待を裏切らない甘じょっぱさで、思わず「うん、これだよな」と呟きたくなる味。ネギの風味はかなり控えめで、隠し味として利いているように思える。つくねは粗挽きにした鶏肉を油で素揚げしてあり、弾力があって、粗挽きらしいモロモロした食感がある。
1缶で2度おいしい、オトクなやきとり缶だ。
■発酵食と乳製品の合わせ技

最後は、去年9月に発売された「とりチーズ・チーズタッカルビ味」である。コチュジャンの甘辛い味にチーズのコクを組み合わせた韓国の人気料理「チーズタッカルビ」をイメージした商品だ。
赤いソースを焼き鳥に絡めて頬張ると、コチュジャン特有のあとを引く甘辛さが爆発し、思わず舌を鳴らしたくなる。このソースにはチーズも配合してあるから、コチュジャンの発酵食品の旨味と乳製品のコクが合わさって、濃厚かつ深い旨味が味わえる。
画像で白い四角形に見えるものは耐熱性のチーズだ。箸などで触れれば崩れるが、それまでは形がちゃんと保たれているから面白い。
■生姜の利いた親子丼にするのもアリ

今回の新商品はすべてが個性的で、味のベクトルもそれぞれ違うが、個人的には「岩下の新生姜入り」が気に入った。
そのまま食べると副菜の1品といった風情だが、ホテイフーズによると親子丼にも使えるという。試してみたら、これが正解。基本は塩味で、新生姜の風味が利いているから、あっさり爽やかな親子丼になったのだ。砂糖としょう油で甘辛く仕上げるのが親子丼だと思い込んでいたけど、これはこれでありだなあ。
やきとり缶詰が初めて発売された55年前は、日本中が盛り上がった年だった。アジア初の万博が日本で開催され、しかもその規模は当時で最大。2年前にはGNP(国民総生産)が世界2位を獲得したこともあって、「日本もとうとう先進国の仲間入りを果たした!」と喜んだのだ。
今年のやきとり缶にゴーゴーカレー味が登場したのは、もちろん発売55周年とかけているからであり、次の周年に向かってGoGoと進んでいく決意表明でもある。一方の大阪万博は、いろいろと障害が多く、批判もされているけど、やると決めたんだからGoGo気分でやってほしいなあ。