■意外としっかり食べてます

私謹製の気まぐれおやき

 シーズン3年目の朝は、オーツやバゲットを焼いてよく食べていた。昨晩の残りがある時はご飯。卵に余裕のある時は目玉焼きを添える。今年はヘリの荷上げが天候不良で延びたおかげで、パン屋さん巡りができたので、バゲットを購入してストッカーで冷凍させておいたのだ。

 お昼は、まだ白米の残りがあればご飯もの。なければ麺類が基本だ。お昼を過ぎるとお客さんが続々と到着し始めるので、ゆっくりは食べられない。鳳凰小屋でのバイト時代、まかないは20分くらいで作れて、パッと食べれる丼ものが良しとされた。光岳小屋にも当時の教えが生かされている。

 夕食は、皆さんの食事が済んだ後の厨房で「今日は何食べる? 食材、何があるんだっけ?」ってな具合のやり取りから始まる。担当は決まってなくて、手が空いていたり、「今日はこれが食べたい」のある人が作る。「今日は肉じゃがをやろう」と昼間に仕込んでおくこともある。

くみちゃんはおばんざい担当

 京都在住のくみちゃんは、おばんざいが得意。厨房長(と勝手に呼んでいる)高橋くんはなんでもおいしく作るが、特にパスタはご馳走だ。ちょっと元気がない時、疲れた時、彼のパスタを食べるとテンションが上がる。私はもっぱら…… 食材の場所を把握するのと、おいしく食べる担当。余談だけど、おいしいご飯屋さんにならばナビなしでも行ける。これだけは本当によく褒められる。

 山では肉よりも、野菜をたくさん食べられる日が特別だ。スダチをいただいた時は指先が痺れるほどおいしかったし、採れたばかりのキャベツをいただいた時は、そのみずみずしさに食べる手が止まらなかった。野菜の差し入れ、とても嬉しいです。

 そんな風に、意外としっかり下界と同じような献立だったりする。みんなの健康とテンションを保つためにも、おいしい飯はまかない飯は不可欠なのだ。