●矢落山から大小5つのピークを越えて、仙元山へ
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矢落山を出発し、さらに尾根道を進む。山中には多くの分岐やテープがあるので、落ち着いて案内板の指示通りに進もう。途中、茅塚(かやづか・標高156m)と大桜(おおざくら・標高150m)のピークを越える。道中では、季節ごとの草花を楽しめる。
名前の通り桜の木があり、展望のいい大桜で小休止の後、先の高塚(たかつか・標高170m)、そして観音塚(かんのんづか・標高190m)に向かう。このあたりは道幅が狭く、急なアップダウンが続くが、登山道自体は明確で歩きやすいので、迷うことはないだろう。それぞれの山頂では相模湾や東京湾、三浦半島の内陸部を一望できる景色が広がっている。
観音塚で休息を取ったら、いよいよ最終目的地の仙元山に向かう。観音塚から80mほど標高を下げるが、この区間もアップダウンが続く。だいぶ疲れも溜まってくる頃なのでふんばりどころだ。細い道や、わかりづらい分岐点もあるので、集中力を切らさず歩きたい。
スタート地点の京急田浦駅から実に4時間超。とうとう三浦アルプスで最高の景観が楽しめる仙元山に到着だ。
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●仙元山の大展望と山桜を満喫! 下山は海沿い散歩とショッピング
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広々とした山頂は、ピクニックを楽しむ親子連れで賑わっている。三浦半島西側、これから下山するコースを登りに使うと、仙元山まではあっという間に来ることができるからだ。
淡いピンク色の桃や、早咲きの桜が美しく咲いており、ハイカーを出迎えてくれる。天気のいい日には、紺碧の相模湾の向こうに、雪化粧の富士山が見えることだろう。
心ゆくまで景色を堪能したら、階段状の下山路で海側へ降りよう。仙元山ハイキングコース登山口まで15分ほどで降りられ、付近のバス停から逗子・葉山駅へ向かうことも可能。
ただし、時間と体力が許すなら、駅まで歩いてみることをおすすめする。波の音を聞きながら海岸線を歩いたり、立ち並ぶサーフショップでウィンドウショッピングを楽しんだり。海と自然に囲まれた1日を振り返りながら、のんびり歩いて帰るのもいいものだ。
■海と自然に囲まれた三浦アルプス縦走登山
標高こそ200m程度の山々だが、美しい景色が堪能できる、なんともぜいたくなコースを楽しめる三浦アルプスの縦走登山を紹介した。
ただし、低山だからといって油断は禁物だ。標高から、つい気が緩みがちなためか、高山よりも遭難の危険性が高いとも言われている。距離や高低差、所要時間に応じて、必要な水分や行動食などいつも通りの装備を整え、体調万全で美しい三浦アルプスの縦走登山を楽しんでほしい。