■巨石群を抜けて「天の岩戸」へ! 御神水をいただく
広葉樹は葉を落としているとはいえ、森の中は展望がそれほど良くありません。しかし尾根上のルートは巨石群も見所のひとつです。六綾鏡岩、御手洗岩、畳岩、門立岩、尻立岩……。次々と現れる巨石に、その名前の由来を想像してみたりします。
木々を覆う白い雪は優しげで、樹間から差し込む冬の光ですら暖かみを感じます。やがて見上げる斜面の向こうに青空が見え隠れするようになると、山頂部もすぐそこです。分岐を右へ折れて飛騨一宮水無神社の奥宮「天の岩戸」で手を合わせ、次に目指すは未知なるパワーを秘めた神の水が試飲できる天の泉「御神水」があります。
すっぽりと雪に覆われた様子に水が凍っていないか不安になりつつも、そっと覗いてみると竹の管の先から途切れることなく水が流れ出ていました。
■絶景を眺めながら飲むコーヒーは格別!
少し戻って位山の山頂へ。苦労して登ってきた割にはあまりにそっけなく、展望にも恵まれませんが、雪の上に飛び出した標識には確かに山頂の表記があります。しかし残念がることはありません。さらに戻るように進むと、その先には“展望広場”が待っています。乗鞍岳や御嶽山の眺望も素晴らしいですが、ここからは反対側に白山も眺めることができます。
白い雪原にはシンボルのようにすくっと伸びたダケカンバが枝を広げ、周囲には可愛らしい樹氷が育ちつつありました。澄んだ青空と純白に輝く雪面の間に神々しく輝く白山の姿にうっとりと見惚れてしまいます。
荷を下ろし、先ほど汲ませていただいた御神水を沸かしてコーヒーを入れました。絶景をおやつ代わりにいただく一杯は格別です。のびやかに広がる景色を眺めつつ休憩していると、平日にも関わらず次から次へと登山者が登ってきては、絶景に感嘆しながら写真や動画を撮っていました。名残惜しいですが、ひと息ついたら下山の途に。次に目指すは“下山メシ”です!