雪道の運転は、経験豊富なドライバーでも緊迫する場面に遭遇することがある。
筆者は東北の雪道を運転して10年以上になるが、雪道を走行中に起こりがちなヒヤリハットも実際に体験してきた。今回はそのときの体験や運転経験から、雪道で遭遇しやすい危険な状況3つを取り上げ、安全に運転するための対策や注意点を伝えたい。
■信号でブレーキが効かない恐怖
雪道で最も起こりがちなヒヤリハットといえば、ブレーキの減速不能ではないだろうか。雪道を初めて運転したとき、信号手前で雪のない日と同じようにブレーキを踏んだところ、車が思うように減速せず、そのまま交差点に向かって滑っていくという、とんでもなく怖い経験をした。幸い、車間距離があったおかげで事故には至らなかったが、あのときの恐怖は今でも鮮明に覚えている。
このような危険を避けるためには、雪道ではまず速度を控えめにすることだ。特に交差点に近づく際は、普段以上に早めに減速を始める必要がある。ブレーキ操作は、一度に強く踏むのではなく、何回かに分けて軽く踏む「ポンピングブレーキ」が効果的である。ABSが装備された車両でも過信は禁物で、路面状況に応じた慎重な運転が必要だ。
■視界不良による衝突の危険性
降雪時に特に注意が必要なのが、視界不良による事故のリスクだ。吹雪の中を運転していたときのことだ。前方の車のテールランプが吹雪でだんだん見えづらくなり、気づいたときには急接近していて、本当にヒヤリとした。
視界が悪い状況下では、十分な車間距離を意識的に確保することがまず基本である。普段の3倍以上の車間距離を保つようにすれば、突然の状況変化にも対応できる余裕が生まれるだろう。
また、自分の車の存在を他のドライバーに知らせることも安全につながるので、昼間でもライトを点灯するとよい。天候が著しく悪化している場合は、運転を控える判断をすることが重要になる。