■3. 20g超の「飛距離抜群」を謳うフローティングミノー
「飛距離抜群」を謳うフローティングミノーは、以前にサーフ(砂浜の釣り)で使えないかと試しに購入したものだ。メーカー品のシーバス用フローティングミノーなら、1本2,000円前後が相場だ。それが5本セットで2,000円程度だった。1本あたり400円の格安ミノーだ。
実際には風に煽られ飛ばず、泳ぎが悪かった。メーカー品のルアーは内部のウェイトを移動させて飛行姿勢と泳ぎを安定させる「重心移動システム」が搭載されており、多少風が吹いていても飛距離が稼げて、波っ気のある状況でもしっかり泳ぐように設計されている。
個人差はあるが、少なくともメーカー品なら50m以上は飛ばすことが出来るだろう。ところが飛距離抜群を謳う激安ルアーは、風の有無に関係なく回転し、30m飛ぶかどうかというところ。
それどころか、水中では泳ぐというより暴れるような動き。むしろそれがいいアクションになって魚を誘うのかもしれないとポジティブに捉えしばらく使ってみたが……。結局フックも錆びたまま部屋のインテリアになってしまった。
●初心者の練習用に活用の余地あり
筆者の妻もたまに釣りに同行するのだが「フローティングミノーは飛ばないから嫌い」とよく言っているので、この思ったより飛ばないミノーでキャスト練習をしてもらっていた。1匹も魚は釣れなかったが、メーカー品のルアーに付け替えた途端にしっかり飛ばせるようになっていた。飛ばないルアーがキャスト練習の役に立ったようなのだ。
■4. 1本300円のシンキングペンシル
メーカーから出ている30g程度のシンキングペンシルは、1,500円程度が相場。格安ECサイトで購入したルアーは5本で1,800円程度だった。コスパはかなり良いが、本当に使えるのだろうか?
飛距離はそこそこ出る! メーカー品のシンキングペンシルは平均80〜90mの飛距離だが、格安ECサイトで購入したノーブランド品のシンキングペンシルは65m前後だった。沈みやすく、飛びやすくするために鉛を仕込んでいるシンキングペンシルはルアーの構造上、ある程度の飛距離は出しやすいのだと思うが、やはりメーカー品にはおよばなかった。
●波に負ける
メーカー品の人気ルアーを真似て安易にリップを付けただけなのかもしれない。見た目はメーカー品に引けを取らない仕上がりに見えるが、実際に海で使うと波に負けて泳がない。テスターと呼ばれる釣りの名人が何度も実釣を重ねて作ったメーカー品のルアーとの大きな差を如実に感じた。
釣りを始めたばかりの親族に格安ルアーの動きが悪かったという話をしたところ、使ってみたいということだったので譲ることにした。簡単に魚が釣れないような動きだが、このルアーで釣りを好きになってもらえたら、それはそれでよいと思っている。
■ノーブランドの格安釣り具は……
ノーブランドの格安釣り具は劣化しやすかったり、性能面でメーカー品に劣るところが多い。それは価格に比例するので、仕方のない部分ではあるというのが筆者の率直な感想だ。また釣りの敷居を低くしてお手軽なものにし、財布に優しいのは釣りを始めたばかりの人にとって心強いともいえる。ただ、長く釣りを楽しみたいと考えている人は、最初からメーカー品を購入するようおすすめしたい。