■釣り人減少傾向の背景

近郊で唯一釣りが認められている公園だが、釣り人の数はまばらだった

 コロナ禍の外出自粛期間で釣り人の数は一時的に減少したが、その後の自粛緩和で小規模ながら釣り人が増加。

 その一方では立入禁止の釣り場が増え、釣りができる場所が減少傾向にある。さらにネットやSNSで釣果情報の拡散が急増したことで、釣果のあった釣り場に一極集中で人が集まることが増えた。これが穴場的釣り場で人の姿を見かけるようになったことや、筆者の釣果減少にも少なからず影響を与えているのではないかと感じる。

 釣りが面白い、と思えるための大きな要素は、手軽さと釣果であると筆者は考える。釣り場が減ってしまえば手軽さは失われるし、そもそも釣果が出なければまた釣りに行きたいという意思も薄れるのではないだろうか。

■一人ひとりに委ねられる釣りの将来

 ブームによる釣り人の増加とマナー問題は切っても切り離せない関係で、釣り場の減少は釣り人自身が招いたものといえるのではないか。今後釣りを続ける環境を保持できるか、増加できるかどうかは一人ひとりの手に委ねられていると筆者は考える。

 釣り場にゴミを残さないことはもちろん、資源を守ることや、釣果優先ではない考えも大事。一匹を釣るまでの過程にこだわるアジングやアユルアーが近年流行っているのも、魚の減少化が進む現代にマッチした釣り方といえるのかもしれない。

 今後このような新たな釣りのスタイルが次々と生み出され、よりよい釣り場環境が整備されることに期待したい。