日中はまだまだ厳しい残暑がつづく9月、日本を代表する避暑地の一つ「軽井沢」のお隣、「中軽井沢(なかかるいざわ)」を訪れてみてほしい。往復約2時間でほどよい満足感を得られる山の散歩、五感で涼を感じて、グルメも楽しめる1日コースをご紹介しよう。

●「涼散歩」の起点となる中軽井沢駅

中軽井沢駅の外観。「中軽井沢図書館」と「くつかけテラス」が併設されている

 中軽井沢駅は、軽井沢駅からしなの鉄道で1駅、車でおよそ10分程度。駅構内には「中軽井沢図書館」のほか、地域交流施設「くつかけテラス」が併設されている。同施設では、軽井沢エリアで店を開きたい人を対象としたチャレンジショップや、観光案内所が展開されている。

■「峰の茶屋バス停」横の登山口からスタート

峰の茶屋バス停横にある「小浅間山」登山口の看板

 中軽井沢駅から車でおよそ15分、「峰(みね)の茶屋」バス停横に見える登山口の看板が小浅間山(こあさまやま・標高1,655m)のスタート地点となる。登山者は、道路の向かいにあるレストラン「峰の茶屋」の駐車場を利用できる(1日1,000円)。駐車場のすぐ近くに公衆トイレもあるので安心だ。ただし、周辺にはコンビニが1軒のみで、首都圏エリアと異なり夜間は営業していないので注意。行動食や水は事前に準備しておくことをおすすめする。追加でドリンクを買いたい場合は、峰の茶屋駐車場のそばにある自動販売機を利用しよう。

■ところどころ狭い山道

登山口すぐ。山道はときどき狭い道もある

 スタートして間もなく細い道が現れる。小浅間山は初心者にやさしいハイキングコースだが、山頂近くまで両側に草花が伸びた狭い道が続くので、すり傷防止にトレッキングタイツなど素肌を隠せる服装がよい。また、登山口ですでに標高が1,000mあるので天候も変わりやすく、夏でも防寒対策はかかせない。

■山道は徐々に広がり、足もとは土から砂利に変わる

道が開け、晴れ間が見えた瞬間の景色

 木々に覆われた山道を抜けると、視界が開けてくる。この日はタイミングよく雲が流れ、見上げた空に晴れ間を見ることができた。コース途中から足元が砂利道となって滑りやすくなるので注意。晴れていても標高が高いため、比較的涼しく感じる。

■ 標高1,655mの山頂に記された「WEST」とは?

小浅間山山頂WESTの景色

 やや傾斜の強い砂利道を進み、登山口から約1時間で標高1,655mの山頂に到着。山頂の標識には「小浅間山」と「ウサギの絵」と「WEST」の文字が。実は小浅間山は西と東の2つの峰からなる双耳峰(そうじほう)で、筆者が登ったのは西側の山頂。東峰山頂へは数分で行けるらしい。なぜウサギなのかは不明だが、可愛らしいうさぎの絵の先には浅間山がそびえる。往復およそ2時間で完結できるコースとなっており、景色の見ごたえも十分。