■夏休みだけど貸切もあり得る
明日の朝のフェリーに乗るには何時までに撤収すればいいかを話して、おじさんは帰って行った。自分達はテントを張り、机と椅子は備え付けがあったので、組み立てずに済んだ。
ちなみに、島に小さな商店はあるがスーパーはない。宿毛市内のスーパーで買い出しをしておいた食材で、夕食の用意を始める。
息子は周辺を散歩したり、飽きたらゲームをしたり、自分のペースで過ごしている。
夕飯の用意をしながらあたりを見渡すと、雲の流れが目についた。真夏なのに、 陽が沈めば、気持ちの良い風が吹き、過ごしやすい。遠くに目をやると集落が見える。 調べてみると、自分達が降りた港とは違う、もう1つの大きい港がある集落だった。
本日の夕食は、宿毛で買ったカツオと玉ねぎでカツオのたたきを作る。ご飯を食べ終わったら、息子と一緒にテントに入って、溜まりに溜まった夏休みの宿題に取りかかる。自分の力でやって欲しいものだ。なんとか宿題を終えると、自分も息子も疲れたのか21時前には寝てしまった。
翌朝、簡単な朝食を済ませてテントを片付けると、時刻通りにおじさんが迎えに来てくれた。
今日も車内でいろいろな話をしてくれたのだが、なかでも興味深かったのは「傘鉾(かさぼこ)」という島のお祭り。毎年8月16日に開かれるお祭りで、元々は鎌倉時代に島に逃れてきた三浦氏が持ち込んだものらしい。三浦氏とは鎌倉幕府の重臣の出で、傘鉾とは大昔は「鎌倉踊り」と呼ばれていたのだという。沖ノ島から鎌倉まで、直線距離で700kmほど。現在でもかなりの距離なのに、鎌倉時代にここまで逃げてこなければいけないとは、どれほど追い詰められていたのだろうか。
とはいえ、そのおかげでこうやって現在にも繋がるお祭りが残っていて、四国の果てにいるのに関東を感じることができたのも事実。いつかまた、その傘鉾祭りを見るために再訪して、今度は2、3泊くらいしてみたいと思う。
<絶景キャンプフォトグラファーのおすすめポイント>
・海の透明度は30m。屈指の透明度を誇る
・島唯一のバスは観光案内もしてくれる
・釣りをするのならこれ以上ない島
・運が良ければ港にウミガメが来る
・キャンプ場には新しいトイレが完成している