夏キャンプでのクーラーボックス選びは多くのキャンパーが頭を悩ませている。特に近年はソフトクーラーボックスの性能が目まぐるしく進化しており、収納性、携帯性に優れたものが多いのが特徴である。トートバッグのようなシンプルなデザインで、エコバッグなどの日常使いにも活躍しそうだ。

 では、肝心の保冷力はどうなのか。今回はソフトクーラーボックスの保冷力の検証をしてみる。

■今回使用するソフトクーラーボックスのスペック

ショルダーと手提げの2WAY使用ができる(撮影:木戸 カズマサ

 今回使用したソフトクーラーボックス(以下、クーラーボックス)は、「コールマン アルティメイトクーラーII 35L」。使用サイズは、横幅42cm×奥行き32cm×高さ38cm。表生地には耐水圧25,000mmの雨に強いTPE加工を採用しており、急な雨や夜露にも安心である。

 蓋部分に付いている小さな小窓から出し入れが可能で、マジックテープで開け閉めが素早くできるのが嬉しい。中はクッション性のある分厚い底板がついていて、抗菌素材のインナーは取り外して丸洗いが可能で衛生的だ。

■24時間、保冷力耐久テスト

検証前の重量を測定(撮影:木戸 カズマサ

 7月上旬、気象予報では最高気温は30℃という梅雨の晴れ間。午前9時から保冷力の検証をした。キャンプ場でのシチュエーションを想定し、クーラーボックスの中に板氷を入れて日陰に24時間放置する。

 3時間おきの板氷の状態を確認し、どのくらい長持ちするかを検証してみた。氷は「7プレミアム ロックアイス 板氷1.7kg」を使用し、外装を含めて計量したところ、1,840gであった。

タープの下にクーラーボックスを置いた状況を想定して実験した(撮影:木戸 カズマサ
梅雨の蒸し暑さは影響するのか、板氷の状態を観察する(撮影:木戸 カズマサ

 1回目の確認は、開始から3時間後の昼12時。溶けた水を捨て、板氷の重量を計測すると1,381g。一気に約500gほど小さくなっていたが、見た目のかたまり感は十分にある。

 2回目の確認は、開始から6時間後の15時。重量は999gであった。氷の角が溶けて、丸みを帯びてきている。それでもまだ、かたまりは十分に残っており、クーラーボックス内は冷えている。

 3回目の確認は、開始から9時間後の18時。重量は754gで、当初の重量より半分以下となってしまった。しかし、依然としてクーラーボックスの中は十分に保冷されている。

 4回目の確認は、開始から12時間後の21時。重量は475gであった。小さな氷のかたまりになってしまい、クーラーボックス内も微かに保冷がされている程度であった。溶けきってしまうのも時間の問題だろう。

 5回目の確認は、開始から24時間後の翌朝9時。氷は全て溶けてしまい、中身は水の状態であった。ボックス内のひんやり感もほとんどなかった。

24時間氷の形を維持することはできなかった(撮影:木戸 カズマサ