■山で虫の少ないハンモックポイントとは?

稜線の鞍部は特に風通しが良い。逆に冬場は寒いので注意

 山で「湿気が少ない」場所を探すのは比較的簡単です。川や池からなるべく離れるだけで解決できるからです。ところが「風通しの良い」場所を地形的条件から見つけるのは簡単ではありません。

 風は気圧や地形などの影響で変化しますが、山の地形は複雑です。どの山でも通用する明確な答えを求めるより、風がどんなきっかけで変わるかを知る方が大切です。風の通り道が谷や尾根になりやすいことを知っていれば、風通しの良い場所を探すヒントになるはずです。山の鞍部を狙ったり、尾根を跨いでみるのもひとつの手です。まずは歩きながら風の変化に目を向けてみましょう。

■不安なときはアウトドア用の「虫除けグッズ」も活用しよう

 虫の少ない場所を探すのに不安がある場合は、虫よけグッズをバックアップに携帯することをおすすめします。夏の野外活動に欠かせない虫除けグッズには、スプレータイプや線香などの様々な製品があります。効果の範囲が広く、汎用性も高いこれらの虫除けグッズをうまく使えば、ハンモックに腰掛けて食事をしたり、トイレに行くときなどにも効果を発揮できます。

 単体での使用はもちろん、バグネットと組み合わせればより確実に虫を避けられるでしょう。

■おすすめしたいアウトドア用虫除け

 アウトドア用虫除けを選ぶときのポイントは、まず、虫除けの重量、サイズなどの運搬性がひとつ。塗り直しの手間が少ないタイプも重宝します。

 さらに、肌や衣服、ハンモックにかけても抵抗がないか、煙の匂いが気にならないか(衣服への匂いの付着も)も考えてみましょう。多くの虫除けスプレーに含まれている成分・ディートは、ハンモックやウェアなど化学繊維を傷める原因になります。

 それらの点を考慮して、私がハンモックと組み合わせて愛用している虫除けは、以下の3点です。

万能な虫除けグッズはないので、状況に合わせてセレクトしよう

 

<エバニュー アロマホリック アウトドアスプレー 50ml>

 200種類以上の害虫に効果があるとされる、ニームの樹木から抽出した成分を含んだノンケミカル、アルコールフリーの虫除けスプレー。レモンユーカリ、シトロネラなどの精油による柑橘系の爽やかな香りが特徴で、消臭、抗菌効果もある。化学繊維を傷めるディートを含んでおらず、ハンモックの生地にも優しい。

<富士錦 パワー森林香>

 煙の量が多く、家庭用よりも忌避効果が高い屋外専用の蚊取り線香。通常の線香皿に比べて煙が多く出るように設計された「森林香専用ケースセット」を選べば、煙幕で蚊、ブヨをしっかり遮断できる。

<サーマセル アウトドア用ブユ・虫シールドBackpacker>

 OD缶を使用したマット加熱式のストーブ型虫よけ器。ブユには直径1〜2m、ユスリカには4〜5mの範囲で防虫効果がある。虫よけ剤を肌に塗りたくない、あるいは線香の煙が苦手という場合に適した屋外用虫よけ器。

■虫除け選びの正解は状況次第

 ハンモックの虫対策には色々な種類があり、遊び方や場所、経験の差や好みによって最適な方法は変わります。私自身も行く場所、時期、期間によってハンモックの虫対策は方法を変えざるを得ません。いつ、誰にとっても完璧な唯一の正解はないと思っています。

 もしハンモックの虫対策に悩んでいる方は、この記事を読んでみて「これならできそう」と思った方法からトライしてみてください。ハンモックで遊ぶ回数を重ねていくなかで、あなたにとってのベストな方法、組み合わせがきっと見つかるはずです。