■DAY2 富士見平小屋から金峰山へ
2日目は初日よりも行動時間が長いので、早朝の出発になる。富士見平小屋からは長い樹林帯を歩く。瑞牆山のように奇岩や巨岩などの見どころはなく、単調な区間だ。景色が一番の楽しみである筆者にとっては、稜線にでるまで特に長く感じた区間だ。
富士見平小屋から、大日(だいにち)小屋を経由し、およそ2時間30分、砂払ノ頭(すなはらいのあたま)のあたりからハイマツ帯に変わり、眺望がよくなる。
砂払ノ頭から金峰山山頂までは1時間5分ほど、ここからは景色のいい稜線歩きが楽しめる。
山頂に近づくにつれて大きな岩がゴロゴロとしてきて、鎖が設置されている場所もあるが、危険を感じるような箇所はないので落ち着いて進もう。
見晴らしのいい稜線を歩いていると、やがて山頂にそびえる五丈岩(ごじょういわ)が見えてくる。富士見平小屋からは約3時間35分、金峰山の山頂に到着する。
山頂は人間よりも大きな岩がゴロゴロとしているものの、休憩できるスペースが多くあるので、景色を楽しみながら昼食をとるといい。富士山の景色を満喫しながら富士見平小屋で汲んだ水で飲んだコーヒーは格別だった。
金峰山からは360度のパノラマが広がり、八ヶ岳の方角を見ると、眼下には前日に登った瑞牆山も確認できる。
下山は富士見平小屋まで戻り、テントを撤収してから瑞牆山荘へと下山した。山頂から瑞牆山荘までの所要時間は、約3時間40分。
〈DAY2 登山ルート〉
富士見平小屋⇒(1時間)⇒大日小屋⇒(1時間30分)⇒砂払ノ頭⇒(1時間5分)⇒金峰山⇒(55分)⇒砂払ノ頭⇒(1時間10分)⇒大日小屋⇒(50分)⇒富士見平小屋⇒(45分)⇒瑞牆山荘
■1泊2日の2座登頂で百名山を満喫しよう
山容の異なる瑞牆山と金峰山に登った後の満足感は、普段の日帰り登山よりも大きいだろう。2日間で2座登頂は決して優しいプランとは言えないが、満足度は高いのでぜひチャレンジしてみてほしい。
隣同士にある瑞牆山と金峰山は、どちらも日帰りでの登頂が可能な山であるが、一度の山行で百名山を2座登るプランを組むことで交通費が1回分で済み、トータルでかかるコストを抑えることができておすすめだ。一度で2座登頂したことで筆者もトータル1万円以上のコストセーブができた。
瑞牆山、金峰山ともに標高は2,000mを超え、富士見平小屋でも標高は1,800m以上あるため、気温は低い。防寒対策を十分にしてでかけてほしい。